オーストラリアのケアンズ観光局（クイーンズランド州ケアンズ）は、2024年11月下旬に世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフで「サンゴの産卵」が予測されていることを発表しました。
毎年恒例「サンゴの産卵」
Coral spawning November 2023 at Moore Reef（提供：PR TIMES）
世界最大のサンゴ礁である「グレートバリアリーフ」には350種以上のサンゴが生息しています。
サンゴたちは年に一度、11～12月の満月の時期に卵子と精子の塊を海中に放出し、海面向かって上昇しながら受精します。その神秘的な様子から「海中の吹雪」と呼ばれています。
この現象は日没から深夜にかけて、プランクトンを食べる生物が活動していない時間帯に行われている可能性が高いと考えられており、数時間から数日間にかけて行われます。
サンゴの一斉産卵は1981年にジェームズクック大学の科学者が発見した比較的新しい現象。南半球では夏の訪れを告げる風物詩となっています。
グレートバリアリーフが直面している脅威
神秘的な現象が見られるグレートバリアリーフですが、地球温暖化という脅威に直面しています。
今すぐ始められるグレートバリアリーフの保全としてカーボンフットプリント（温室効果ガスを含めたCO2排出量）の削減が挙げられ、使い捨てのプラスチック容器の使用を抑えることや積極的にごみ拾いをすることが環境保全へつながると言います。
ケアンズが行っているサンゴの保護活動
ケアンズでは、サンゴを観察できる施設や保全を進めいている施設があります。
ケアンズシティにあるケアンズ水族館ではケアンズ周辺の魚やサンゴが暮らしており、高さ10メートルにも及ぶディープリーフの水槽ではスキューバダイビングでしか見られないサンゴを間近に観察することができます。
また、グレートバリアリーフと世界中のサンゴ礁の長期的な存続を確保することを目的とした「グレートバリアリーフレガシー」などによる「世界初の生きたサンゴ礁のバイオバンク施設」も設立。
グレートバリアリーフから採集された200種以上のサンゴを収容し、永久的にサンゴを保護できるように研究が進められています。
サンゴの産卵はケアンズ観光局の公式SNSで11月下旬から公開予定です。
※2024年11月●日時点での情報です。
（サカナト編集部）
