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岩礁域に生息する<アカハタ>を塩焼きにして食べてみた 意外な魚の味に似ている?

岩礁域には多くの根魚が生息しています。カサゴやアイナメなど釣りで人気の魚が多く知られていますが、その中のひとつにアカハタがいます。

アカハタ(学名:Epinephelus fasciatus)はスズキ目ハタ科に分類されるハタの仲間で、大きさ20センチで成熟する比較的小型のハタです。

インド・太平洋沿岸に広く分布しており、日本では主に相模湾や富山湾以南に生息しています。

アカハタはどんな魚?

他のハタ類が比較的深い水深に暮らしているのに対し、アカハタは1~10数メートルほどの浅い水深に暮らしています。名前の通り赤かオレンジ色の体色が特徴で、背びれの先端に黒いラインが入っています。

普段は岩礁域で暮らしており、小型の甲殻類や小魚を捕食しています。成長速度は遅く、繁殖可能な成体になるまで3年かかると言われています。

筆者が静岡県沼津市の大瀬崎で潜った際には、人工魚礁にかなりの密度で生息していました。

ダイバーに寄ってくるアカハタの群れ(提供:俊甫犬)

30センチほどの大型の個体が多数根付いており、ダイバーに寄ってくる個体も多く、意外にも人懐っこいように見えました。

めったに売ってないアカハタをスーパー発見

市場では高級魚としても扱われているアカハタ。そんなアカハタが地元のスーパーのセールで売られていたので、実際に食べてみました。

ちなみに、ネット通販などでは3000~4000円程度が相場のようですが、この時は大きさ20センチくらいのものが700円で売っていました。

アカハタは歯が鋭い

購入したアカハタを正面から見ると、歯が鋭く、小魚や甲殻類を捕まえて逃がさない構造になっていることが分かります。

アカハタの鋭い前歯(撮影:俊甫犬)

刺身や水炊きにして食べられることが多いアカハタですが、今回は下処理が済ませてあったこともあり、そのままグリルで塩焼きにして食べることに。筆者はハタの仲間を初めて食べるので、かなり期待を寄せました。

意外な魚に味が似ている?

アカハタの身はきれいな白身でしたが、反射具合で虹色やエメラルドグリーンに光って見えて、どこか高級魚の風格を感じます。

ハタの身(撮影:俊甫犬)

その味は、例えるならば非常に香ばしく味わい深いシラス。大きな魚にもかかわらずシラスに似ていたことは、とても意外でした。

ハタの仲間は小魚を捕食することが多いので、味が似てくるのでしょうか。この手の高級魚はやはりうま味もそうですが、香りが非常に際立つことが特徴です。

骨も残さず出汁に

骨と頭は後日炊き込みご飯の出汁に使いました。

今回は素材の味を深く知るためにシンプルに塩焼きで食べましたが、食べ方の極め付けとしては、アラと昆布で出汁を取った汁に刺身をくぐらせて食べると絶品だとか。

食用のハタのなかではあまり有名ではないアカハタですが、釣りでもそれなりに見かけることがあり、ダイビングで遭遇する機会もあります。筆者としては、クエに次いで親しみやすいハタです。

(サカナトライター:俊甫犬)

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俊甫犬

採集活動をかれこれ8年間。幼いころは海の生き物は手が届きにくいものだと思ってましたが、岸壁採集を始めたことにより意外にも色々な生き物に出会えました。

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