高知県土佐清水市にある水族館「足摺海洋館SATOUMI」。高知県西部の竜串エリアに位置し、2020年にリニューアルオープンした、高知の海に生息する生きものを中心に展示する水族館です。
そんな足摺海洋館SATOUMIに久々に訪問し、たくさんの感動的な体験をすることができました。訪問した様子をレポートすると共に、おすすめの展示をいくつか紹介します。
足摺海洋館SATOUMIのコンセプトは「海も山も人もすべてがつながる」
足摺海洋館SATOUMIは自然を楽しめる素晴らしい場所です。近くには、キャンプ場や海中展望塔があり、キャンプしながらマリンレジャーも楽しめます。
「海も山も人もすべてがつながる竜串エリアは自然の水族館」というコンセプトから“里山”をイメージできるように「SATOUMI」という名称になったそう。
足摺の原生林を再現(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館SATOUMI)竜串周辺の海は、世界最大規模の暖流である黒潮の影響でサンゴ礁が広がり、多くの熱帯や亜熱帯の魚が生息。サンゴは108種類、ウミウシはなんと384種類も確認されているといいます。
SATOUMIでは、沿岸から沖の深海まで高知周辺の生きものを約350種、1万5000点を展示。順路は、足摺の原生林~竜串湾~足摺の海から外洋、そして深海へ続く展示構成になっています。
外洋をイメージした水槽(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館SATOUMI)足摺海洋館SATOUMIの絶対に外せないおすすめの展示
SATOUMIがあるのは高知県土佐清水市。高知県の天然記念物に指定されているトサシミズサンショウウオはここにしか生息していないため、絶対に外せない展示の一つです。
トサシミズサンショウウオは2018年に新種と確認
トサシミズサンショウウオは2018年に新種として登録された小型サンショウウオ。以前はオオイタサンショウウオとされていたのですが、遺伝子解析から別種であることが判明しました。
トサシミズサンショウウオ(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館SATOUMI)トサシミズサンショウウオは体長が12センチ程度で、背面に黒い斑点はなく、腹面に白い斑点があるのが特徴。昆虫やワラジムシ、ミミズなどを食べるそうです。
SATOUMIでは、高知市にある「和の森わんぱーくこうちアニマルランド」から譲渡された個体を飼育展示。和の森わんぱーくこうちアニマルアイランドは、トサシミズサンショウウオの繁殖に日本で初めて成功しています。
まるで海を飛んでいる?<アオウミガメ>の展示
ほぼ360度を観察できるウミガメ水槽もおすすめ。ウミガメがまるで空中を飛んでいるように見える、迫力ある展示方法が特徴的です。
アオウミガメ(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館SATOUMI)カメラを向けると寄ってきてくれるので、アオウミガメのかわいさを存分に感じられます。また、からだをじっくりと観察することが可能です。
青色とウミガメのコントラストが映える水槽なので、お気に入りの1枚を撮影できますよ。
ウミウシ
ウミウシ展示も必見。ウミウシは巻貝の仲間で軟体動物の一種ですが、生態はよく分かっておらず、何を食べるのかが不明な種が多いそう。
SATOUMIでも飼育方法を研究しながらの展示ということで、飼育員さんの苦労がしのばれます……。
ウミウシ3種(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館SATOUMI)上記の写真には少なくとも3種類のウミウシが写っています。一番大きくて赤紫色の個体はシンデレラウミウシ、その下の線が数本あるものはクチナシイロウミウシ、右上の白い三角柱のようなものは恐らくキカモヨウミウシだと思われます。
ウミウシはほんわかしていて滑らかな曲線美を持つので、見ていて癒される素敵な生きものですね。
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