京都府京都市にある京都水族館は1月10日、サケの一生と環境問題を学べる特別展示「育て!いくらちゃん2026」を開始しました。会期は3月13日まで。
同展示は2014年から開催している恒例企画で、今年で11回目。<いくらちゃんサバイバル>をテーマに、館内を巡りながらサケの一生や近年深刻化する来遊数の減少について学べる体験型展示です。
「育て!いくらちゃん2026」キービジュアル(提供:京都水族館)サケの仔魚を間近に観察できる
来遊数・漁獲量共に大幅に減少しており、未だ厳しい状況が続くサケ。
「育て!いくらちゃん」は、卵から稚魚へ成長するイクラの展示や、クイズ形式のゲーム、食品サンプルやワークショップなどを通じ、身近な食材としてのサケと川や海の環境のつながりに目を向けてもらうこと狙いとしています。
京都府・由良川で採卵できず 千歳水族館から借り受け
館内1階「京の川」エリアでは、サケの卵であるイクラがふ化して稚魚になるまで約2カ月間にわたり、その成長過程を公開。ふ化直後の仔魚や腹部に栄養袋「さいのう」を持つ姿などを間近に観察できます。
今年は、サケの来遊数減少により京都府・由良川で採卵ができなかったことから、北海道千歳市の「サケのふるさと 千歳水族館」から借り受けたイクラを展示するそう。
イクラの成長するようすを観察できる(提供:京都水族館)初開催となった2014年から2024年まで、京都の由良川へ遡上したサケの卵を育てて稚魚を放流する「由良川サケ環境保全実行委員会」から預かったものを展示していました。
しかし、今年は気候変動などの原因で由良川に遡上するサケの数が大幅に減少。由良川のイクラを展示することは叶わなかったといいます。
展示水槽のそばには、飼育スタッフが日々の変化を手書きで記録する「成長ボード」を設置。来館者がいくらちゃんの成長を継続的に見守れるようにしています。
また、由良川産のイクラを展示してきた従来の取り組みや、千歳川で再び放流されるまでのストーリーも紹介し、気候変動などで変わりつつあるサケの現状を伝えます。
サケを見て・食べて学べる企画も
館内各所には、サケの生活史を学べる特設パネルを5カ所に設置。専用の特別ブックと京都水族館公式LINEを使ったクイズ形式のゲーム「いくらちゃんサバイバル」を楽しめるそう。
パネルイメージ 一部抜粋(提供:京都水族館)来館者は問題の答えを選びながら館内を巡り、川から海へ、そして再び生まれた川へ帰るまでの長い旅路と自然の厳しさを、サケになりきる感覚で体験できます。
食品サンプル・はく製でサケの未来を知る
2階「ミテッテ」エリアでは、すしや焼き魚など、日常の食卓に並ぶサケ料理を再現した食品サンプルと、迫力あるサケ成魚の剥製を展示します。
サケ成魚のはく製(提供:京都水族館)どのサケ科魚類がどんな料理に使われているかを紹介しながら、いくらちゃんが成長した先の姿を具体的にイメージできる内容となっているそうです。
「サケは帰ってこなかった…?」特別ワークショップも開催
2月22日には、由良川サケ環境保全実行委員会の佐々木幹夫会長を講師に迎えた特別ワークショップ「サケは帰ってこなかった・・・?」を開催。由良川へのサケ遡上数減少の実態や生態と環境の関わりについて解説するといいます。
年間パスポートを持つ小学生以上を対象に、事前申込制・定員20名で行われ、サケがふるさとの川に帰れる環境を守るには何が必要かを考えるきっかけを提供します。
今後、日本のサケはどうなる?
サケについて学べる本企画に参加して、気候変動の影響が顕著に表れるなか、日本における今後のサケの動向を考えてみてはいかがでしょうか。
スケジュールやワークショップの申し込み方法などの詳細は、京都水族館公式ウェブサイトで確認できます。
※2026年1月12日時点の情報です
(サカナト編集部)