大きな身体に白と黒の美しい模様を持ち、力強く海を駆けるシャチ。水族館等で見せる様子からは知性も感じられます。
シャチは「海の王者」や「食物連鎖の頂点」と呼ばれることも少なくありません。
では、なぜこのように呼ばれるようになったのでしょうか。
シャチとはどんな生き物?
シャチはマイルカ科に属する哺乳類です。
「シャチ」という名前は和名で、英語では「killer whale(キラーホエール:直訳で殺し屋クジラ)」、学名の Orcinus orca から「orca(オルカ)」とも呼ばれています。
シャチ(提供:PhotoAC)個体差はあるものの、成体のシャチは体長が8メートルほど、体重は8トンほど。背中の中央に位置する背びれはオスで、1.8メートルほどであることからも、その“巨体さ”が伺えます。
なお、シャチの泳ぐ速度は時速50キロメートルほど。これはバンドウイルカを凌ぐ速度であり、黒と白の巨体が水の中を駆ける姿は壮観です。
シャチは海の生態系における「頂点捕食者」
シャチは、海の生態系構造、いわゆる食物連鎖において「頂点捕食者」とされています。
食物連鎖は、プランクトンなどの第一栄養段階から始まり、食べる・食べられるという関係によって成り立っています。上位の段階に進むにつれて生物の数は少なくなるため、その構造はピラミッドに例えられることが一般的です。
シャチ(提供:PhotoAC)海における生態系ピラミッドの頂点に位置しているのがシャチであり、自然界において他の動物から捕食されることはほとんどありません。このような存在は学術的に「頂点捕食者」と呼ばれ、一般的には「食物連鎖の頂点」と表現されることもあります。
「海の王者」という言葉に明確な定義はありませんが、食物連鎖の最上位に立つ頂点捕食者であるという事実は、その呼び名を裏付ける理由として十分だといえるでしょう。
海のハンターとしての一面
シャチは基本的に複数頭の群れで行動し、狩りの際には高度なチームワークを発揮します。
仲間で集まって多くの魚を追い詰めたり、氷の上のアザラシを囲い込むなど、その狩猟方法は非常に戦略的です。また、独自の音声を使って仲間同士でコミュニケーションを取りながら狩りを行う点も、シャチの大きな特徴のひとつといえるでしょう。
シャチが「海の王者」と呼ばれる理由は、単に頂点捕食者であるからではありません。それ以上に注目すべきなのは、知性と社会性を活かし、状況に応じてさまざまな獲物を戦略的に捕らえる能力です。
こうした生態学的な立場に加え、組織的に狩りを行う姿や高い知能を持つハンターとしてのイメージが重なり合うことで、シャチは「海の王者」として認識されているのではないでしょうか。
(サカナトライター:kou)