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自然界における<クリオネの仲間>の意外な役割とは? 日本沿岸で採集できたカメガイ類4選

「流氷の天使」と呼ばれ、水族館でも人気のクリオネ。

その幻想的で可愛らしい姿は多くの人を惹きつけますが、クリオネがどんな生き物なのかまで知っている人は、意外と少ないかもしれません。

クリオネの標準和名はハダカカメガイClione elegantissima)で、その名の通り貝の仲間です。

クリオネが生息しているのは北極海・北太平洋の寒冷域ですが、クリオネ以外のカメガイの仲間はほとんどが世界中の温帯域に分布しています。

日本の沿岸部にも生息しており、水面を泳いでいるところを網で採集して観察できるんですよ。

翼足類(カメガイ類)とは

翼足類とは、軟体動物門翼足類に分類される貝の仲間。このグループは「カメガイ類」と呼ばれることもあります。

ウミウシに近縁な生きものたちで、最大の特徴は翼のような足をパタパタと動かしながら、一生を海中で浮遊して過ごすことにあります。

カメガイ類の一種・クリオネ(提供:PhotoAC)

「貝」と聞くと、二枚貝や巻貝のように海底でじっとしている姿を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、貝の仲間の中には、クリオネのように活発に泳ぐ種類も存在するのです。

クリオネが属する翼足類には、殻を持つグループ(有殻翼足類・ゆうかくよくそくるい)と、進化の過程で殻を失ったグループ(裸殻翼足類・らかくよくそくるい)があり、クリオネは後者に属しています。

カメガイ類はなぜカメガイと呼ばれている?

カメガイ類に属するカメガイ Cavolinia tridentata という種は、殻の両側に扇状の足をもっています。クリオネでいうと、パタパタとさせている部分です。

その姿を全体的に見るとウミガメのように見えることから、「カメガイ」という名前が付けられました。

カメガイ類の自然界での役割

カメガイ類は自然界では非常に多く生息しており、サケ類をはじめとした魚の餌となることが知られています。

つまり、私たちが食べている水産物とも間接的につながっているんですね。

また、死んだ後の殻は海底へ沈み、深海底の堆積物の一部を形成します。

こうしたことから、カメガイ類が莫大な数で自然界に存在していることがうかがえます。

採集できたカメガイたち

カメガイの仲間は温帯域に生息しており、日本沿岸でも観察することができます。

太平洋の黒潮流域で、実際に筆者が採集したカメガイの仲間たちを紹介します。

クリイロカメガイ

最もよく見られるのがクリイロカメガイです。

クリイロカメガイ(撮影:俊甫犬)

本種は、まれに水中で前が見えなくなるほど密集して群れる事があり、丸くて赤紫色の貝殻と黄土色の付属器(翼足)が特徴。外洋の浅海で浮遊生活をしています。

マサコカメガイ

マサコカメガイはアヒルの足のような形の透明な貝殻と、透けて見える縦長の内蔵をもつ種です。

マサコカメガイ(撮影:俊甫犬)

1センチ未満とかなり小さく、見つけるのに苦労しました。

ヤジリカンテンカメガイ

ヤジリカンテンカメガイは矢尻のような形をした寒天質の保護外殻をもっており、出現は比較的希です。

ヤジリカンテンカメガイ(撮影:俊甫犬)

大きい翼足に対して、本体は数ミリサイズのごく小さい体を持ち、刺激やストレスを受けると本体と保護外殻が外れます。

ウキヅノガイ

ウキヅノガイは細長い円錐状の殻をもち、翼足は小さく非常に華奢な体のつくりをしています。

ウキヅノガイ(撮影:俊甫犬)

全長2センチと小さく、水面から見つけるのは困難です。クリイロカメガイ同様、密集して大発生することがあります。

身の危険を感じると殻の中に体を納めることができます。

カメガイの仲間たちに出会う方法

カメガイの仲間たちは年中遭遇するチャンスがありますが、特に今の季節の冬から春先にかけて出現率が高く、表層をパタパタと翼足を動かして水面に波紋をつけながら泳いでいることが多いです。

釣りなどで漁港に行くことが多い人は探してみると、見つけられることができるかもしれません。

また、ビーチコーミングをする際は彼らの丸かったり菱形だったりするカメガイたちの貝殻を拾うことができると思います。

ぜひ、小さな海の仲間であるカメガイの仲間たちを観察してみてくださいね。

(サカナトライター:俊甫犬)

参考文献

うみうし通信 わが国近海に観られる浮遊性巻貝類-Ⅴ、奥谷喬司(No.92)-公益財団法人 水産無脊椎動物研究所

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俊甫犬

採集活動をかれこれ8年間。幼いころは海の生き物は手が届きにくいものだと思ってましたが、岸壁採集を始めたことにより意外にも色々な生き物に出会えました。

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