瀬戸内海の穏やかな波間を泳ぐ「スナメリ」という生き物をご存知ですか? スナメリは海の豊かな自然を象徴する存在です。
この記事では、不思議に包まれたスナメリについてご紹介します、
スナメリとは?
スナメリは、クジラ目ネズミイルカ科に属する小型の海洋哺乳類です。体長は約1.6〜7メートル、体重は50〜70キログラムほどで、まるい頭と銀が混ざった白色の体色がなんとも愛らしい生き物です。
背鰭がない円筒形の体が特徴的で、その姿から英名では“Finless porpoise”(ヒレのないイルカ)と名付けられています。
日本名の「スナメリ」の由来は諸説あり、砂の上を滑らかに泳ぐから、あるいは、砂に隠れている生き物に向かって水を吹く姿が砂を舐めるようだからなどと言われています。
スナメリは温暖な沿岸域の浅い海に生息しており、日本では特に瀬戸内海に生息していることが知られています。社会性が強く、小さな群れを作って生活します。音波を使ったエコーロケーションによって周囲の環境を把握し、コミュニケーションをとっています。
また、呼吸をするために定期的に水面に上がり、鼻孔から息を吐き出します。そのため、運が良ければ、宮島に行き帰りするフェリーから、フェリーと一緒に泳ぐスナメリたちを見ることができます。
スナメリはイルカか、クジラか
スナメリはイルカとクジラのどちらに分類されるのでしょうか。
実は、どちらも正解です。イルカとクジラはどちらも鯨類に分類され、その違いは主にサイズと生態に基づきます。
成獣になった時の全長がだいたい4m未満の種類をイルカ、それ以上の種類をクジラと呼んでいます。スナメリは冒頭にご紹介した通りクジラ目の中にいる全長約2m弱のイルカ科なので、どちらかといえばイルカに分類されます。
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