どうも! 珍魚を売るのが得意な魚屋ライターの「さかなのみかた」です。今回は私の1番好きな魚で、自身の名刺にも好きな魚として記載している「タテジマキンチャクダイ」についてのお話です。
タテジマキンチャクダイの名前の由来
タテジマキンチャクダイは魚の頭を左にしてみて見ると「横縞」に見えます。ですが名前は「タテジマ」です。魚に詳しくないと「あれ?」と思いますよね。
実は魚の縞模様は人間と同じように頭を上にして考えます(魚を釣った時のイメージです)。つまり、タテジマキンチャクダイは名前の通り縦縞なのです。
タテジマキンチャクダイは英名がエンペラーエンゼルフィッシュ(Emperor angelfish)と言います。皇帝です。学名は”Pomacanthus imperator ”でこちらもポマカンタス属の皇帝という意味です。
同じように「タテジマ」や「ヨコシマ」という名前のついた名前の魚は他にもいます。この点でちょっと難しいのは、ヨコスジフエダイという魚は黒い縦縞が1本あるのですが、名前はヨコスジ。複雑です。
タテジマキンチャクダイの幼魚と成魚の違い
タテジマキンチャクダイの幼魚は成魚と違い黄色い差し色が入っていません。また縞模様が円形になっています。成魚になると(だいたい12㎝くらいから成魚カラーに変わる個体がいます)見た目が全然異なってきます。
幼魚の時には縦縞は無く、黒地に青と白の円というカラーリングです。ウズマキ状の模様を大きな目のように見せることで他の魚に襲われないようにしています。またサンゴなどに擬態しているとも言われています。
ちなみにこのウズマキ状のカラーリングから幼魚時代はウズマキと呼ばれ、ダイバーやアクアリストから親しまれています。
タテジマキンチャクダイの味と値段
魚屋なので味を伝えたいと思うのですが、あまりに好きな魚のため食べたことはありません(すみません!)。生息域は相模湾以南ですが、入荷自体はほぼなくたまに漁師さんが網にかかってしまったものを食べるくらいだそうです。ちなみに聞いたところによると、とても美味しいそうです!
水産物としての流通はほぼないためデータはないのですが、観賞魚のショップ等では幼魚(5センチ以上)が5000円以上、成魚(15センチ以上)が15000円以上で売られています。
まとまって獲られないため、水産物として売るよりも観賞魚としての流通がメインとなっています。
(サカナトライター:さかなのみかた)