海水魚を飼育する際に必須と言っていいほど重要なものがあります。それがライブロックと呼ばれるもので、これはその名の通り“生きている岩”です。
この記事では生きている岩とは何か、海水魚飼育になぜ重要なのかを説明していきます。
ライブロックとは?
ライブロックとは、簡単にいうと死んでしまった珊瑚などに様々な微生物が付着したものです。
主に海水魚ショップ等で取り扱いがあります。東南アジアなどから輸入されたり、養殖されたものが出回ったりしています。沖縄などで養殖されたものが水族館で展示されていることもあります。
ライブロックを水槽に導入することで、水槽の生物相を増やし水槽を立ち上げる際の補助や生物濾過として機能します。
なお、海にある天然のライブロックは漁業権などで規制されているため採捕できません。
生物多様性の要、ライブロック
ライブロックは多孔質な岩です。外側はもちろん内側にも微生物も多く住んでおり濾過能力の向上という点で優れています。
外側では好気的な生物濾過、内部では嫌気的な濾過の役割をするため海の環境を再現するためにはとても役立つ代物です。
特に水槽立ち上げ時には置いておくだけで生物濾過の補助として使えたり、様々な生物の住処となったりと、生物多様性を水槽内に持ち込むのに有用です。
ライブロックに住んでいる生き物は微生物だけではありません。ゴカイの仲間やヨコエビ、貝類など有益な生物も多いです。時間の経過と共に海藻が生えてきたり、サンゴが生えてきたりすることもあります。
また、見た目の面でも海中の景観を再現できるため、よりリアルなアクアリウムを作ることができます。いくつかのライブロックを組み合わせて洞窟を作ってみたり、タワー状にしてみたり、魚の住んでいる環境を再現してみたりと、自分の好きなようにアレンジすることができます。
ライブロックのデメリット
ライブロックに住む生物が全て有益という訳ではありません。シャコやカニ、病原菌なども場合によっては含まれます。
シャコやカニは肉食なので、魚たちが寝ている時に襲って食べてしまうこともあります。
このように“飼育する水槽にとって”良くない生物は、キュアリング(腐るものをあらかじめキレイにすること)という方法で取り除くこともできます。お店によっては最初からキュアリング済みライブロックとして売られていることもあります。
良いライブロックは見た目からして生物多様性に溢れ、赤、紫、緑など豊富な色が見て取れます。そして見た目より軽く、海の香りがします。
逆に良くないライブロックは白っぽいことが多く、重いです。腐敗臭等がした場合は付着生物が死んでいる可能性があるため、水槽に導入するのは控えたほうがいいでしょう。キュアリングして様子をみてください。
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