水族館で首がニョロニョロと長いカメを見たことはありませんか?
まるでヘビのように細長い首をもつカメの仲間は、通称「ナガクビガメ」と呼ばれています。
ナガクビガメの見た目はとても個性的。「どうしてそんなに首が長くなったの?」と、その理由が気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は「ナガクビガメの首がなぜ長いのか」をテーマに、その理由や生態について詳しく探ってみました。
ナガクビガメって、どんな生き物?
ナガクビガメの仲間は、おもにオーストラリアやインドネシアなどの淡水域に生息しています。特徴的な細長い首は、体全体の半分以上の長さに達することもあるようです。
ナガクビガメの首を観察してみると、ニョロニョロとした細長さが際立ちます。S字に曲がる首を見ると、まるでヘビが甲羅から飛び出しているかのようです。
日本の水族館では「チリメンナガクビガメ」と呼ばれる種がよく見られます。かつては「ジーベンロックナガクビガメ」と呼ばれていたので、こちらの名前のほうが馴染みがあるかもしれません。
首が長い理由1:捕食しやすいから
おもに水中の小魚を捕食するナガクビガメは、長い首を捕食行動に活用しています。長い首をバネのように曲げ伸ばしすることで、狙いを定めた魚に素早く接近できるのが特徴です。
さらに、魚が「ナガクビガメの射程圏内」を把握しにくいメリットもあります。捕食者の気配に敏感な小魚が、気配に気づいて逃げてしまうリスクを軽減できるようです。
また、水草に隠れている獲物を見つける際にも、長い首が役立ちます。首だけを動かして静かに近寄る動作には、獲物に気づかれるリスクを減らす効果も期待できるそうですよ。
首が長い理由2:呼吸しやすいから
ナガクビガメの長い首は、水面に近づく際の呼吸にも役立ちます。カメの仲間であるナガクビガメは、水中で生活する爬虫類です。定期的に肺呼吸をするため、水面に浮上する必要があります。
しかし、重たい甲羅を背負ったカメは、水面に浮上するのも一苦労です。バタバタと泳ぐカメの姿を想像すると、お世辞にも泳ぎが得意とは思えません。
長い首を伸ばせるナガクビガメは、体全体を持ち上げなくても水面で肺呼吸ができます。少しだけ横着な印象もありますが、生息環境に適応するための合理的な進化なのかもしれませんね。
1
2