四方を海で囲まれた日本では各地で多種多様な海産物が水揚げされています。プライドフィッシュとはそんな海産物の中から漁師さんが選んだ「本当においしい魚」のことを指します。
今回は神奈川県でプライドフィッシュに選定されている海産物を春夏秋冬ごとにご紹介します。
神奈川県のプライドフィッシュ
プライドフィッシュは内陸を除く各都道府県で選ばれた魚が季節ごとに分類されています。
神奈川県でプライドフィッシュに選定されているのは、本記事制作時点(2023年12月)で春3種、夏3種、秋2種、冬2種の計10種です。選定対象は“フィッシュ(魚)”に限定されず、貝類、海藻、タコなど様々な海産物が含まれています。
湘南シラス(春)
湘南のシラスはテレビでもよく取り上げられているので、既にご存知の方も多いのではないでしょうか。
シラスとはカタクチイワシの稚魚のことで、神奈川の相模湾沿岸の各地でシラス網漁が盛んに行われています。県内には沿岸部を中心にシラスを取り扱った飲食店が数多く存在し、新鮮なシラスを楽しむことができます。
シラスの旬は4~6月です。神奈川県のシラス網は網を曳く時間が短いことや漁場と港が近いことが特徴で、非常に状態の良いシラスが水揚げされています。
鮮度の良いシラスはそのまま生シラスで食べたり、釜揚げしらすとして食べられたりします。また、湘南のシラスは味が良いことが知られており、プライドフィッシュだけではなく、「かながわの名産100選」にも選定されています。
鮮度の良い生シラスを食べることができるのは全国的にも珍しいかもしれないので、湘南に訪れた際にはぜひチェクしてみましょう。ただし、1~3月に禁漁期間があるので注意が必要です。
平塚のシイラ(夏)
シイラはスズキ目シイラ科に属する大型の回遊魚です。ハワイではマヒマヒと呼ばれ、食用の他にスポーツフィッシングの対象魚として人気があります。
相模湾では夏場に定置網で多獲される魚で、平塚の定置網では年間7~8トン前後の漁獲量があります。魚種別漁獲量ではシイラはブリ類に次ぐ6位であり、漁獲量の多さがうかがえます。(プライドフィッシュ 神奈川県 平塚のシイラ https://www.pride-fish.jp/JPF/pref/detail.php?pk=1471590009)
シイラは鮮度の低下が早いことから、食用にならないこともしばしばあります。平塚ではこのシイラを有効活用できないかという取り組みが10年程前から行われており、「シイラの燻製」、「シイラバーガー」などが開発されてきました。2016年にプライドフィッシュに選定されてからもシイラを有効活用する方法が試行錯誤されています。
シイラの旬は7~10月で、鮮度の良いシイラは刺身やカルパッチョで食べられています。
松輪サバ(秋)
松輪漁港で水揚げされる「松輪サバ」は有名なので、市場や魚屋によく行く人であれば知っている人も多いはず。松輪周辺の海ではサバがよく獲れることが昔から知られており、現在もサバ漁が行われています。
松輪サバの漁獲方法は定置網や巻き網ではなく一本釣り。さらに、漁獲直後は人の手で触れることなく魚槽へ送り込まれるのです。この丁寧な取り扱いが松輪サバを松輪サバたらしめます。
松輪サバの旬は10~12月。脂が乗った時期の松輪サバは黄金色に輝いていることから、市場では「黄金鯖」とも呼ばれています。松輪サバは通常のサバの数倍の値段が付くこともあるそうです。
プロによる扱いももちろんのこと、松輪サバの評価の高さは旨味の強さと脂の乗りにもあります。脂の乗った松輪サバは刺身、締めサバで食べると非常に美味であり、湘南シラス同様に「かながわの名産100選」に選ばれています。
小田原のイシダイ(冬)
イシダイといえば白と黒の縞模様が特徴の魚です。高級魚として知られており、大型個体は高値で取引されます。
そんな高級魚として知られるイシダイですが、小田原近海は全国的にも珍しく、イシダイが数トン単位で漁獲される好漁場として知られているのです。
小田原近海のイシダイは脂の乗りがよく、国内はもちろんイシダイ需要の高い韓国にも輸出されています。面白いことに韓国では食感が求められることから活魚での出荷がメインだそうです。
イシダイの旬は1~3月で、この時期に米神漁場と石橋漁場で漁獲されるイシダイは格別とされています。
神奈川県ではプライドフィッシュの他にも美味しい海産物がたくさん水揚げされています。訪れた際にぜひ食べてみましょう。
(サカナト編集部)