ミジュンとは、沖縄で親しまれてきた小魚です。この記事では、本州ではなじみの薄いミジュンについて紹介します。
「ミジュン」とはどんな魚?
ミジュンは和名ではミズンと呼ばれており、その由来は沖縄の方言だと言われています。沖縄で親しまれているミジュンとは、一体どんな魚なのでしょうか。
沖縄ではとてもポピュラーな魚
ミジュンとは、沖縄以南に住んでいる、現地ではとてもポピュラーな小魚です。日中は沿岸部で簡単にみることができるので、ダイビングを楽しむ人や釣り人の人気魚でもあります。
沖縄本島の民謡である「谷茶前節」にも唄われており、沖縄の人々は昔からミジュンと生活をともにしてきたことがわかります。現在でもスーパーや鮮魚店でよくみられ、手軽に食べられている魚です。
ミジュンはニシンの仲間の小魚で、大きな群れになって泳ぎます。小さいながらも肉食の魚で、動物性プランクトンやエビ、小魚を捕食します。暗いうちは沖にいて、明るくなると沿岸部に移動する性質を持っていて、昼間は沖縄本島から観察することが可能です。
マダガスカルやオーストラリア、サモアなど、赤道近辺の暖かい海を中心に幅広い地域で見られる魚で、沖縄がミジュンの生息地の北限だと考えられています。
また、寿命が1年と短いことがわかっています。11月ごろに11センチほどの成魚となり、冬に栄養を蓄えたあと、春から初夏にかけて産卵する生活サイクルのようです。
ミジュンは釣り人やダイバーにも人気の魚
ミジュンは釣りやすく、初心者にも人気のある魚です。
海岸沿いや港から海を見ると、黒く蠢いているミジュンの群れを簡単に見つけることができます。そこに狙ってサビキの仕掛けをおろせば、釣ることができるでしょう。
また、ミジュンの大群と泳ぐのはダイバーの憧れでもあります。大量のミジュンに囲まれる景色は圧巻です。
ミジュンと似ているハララーという魚も同じ条件で群れをつくります。ハララーはトウゴロウイワシの仲間で、こちらも群れをつくる小魚ながら、ウロコや身が硬く、食用としては不人気だそう。
前述の「谷茶前節」にも、ミジュンに次いで唄われています。この二種類は混ざって群れをつくることもあります。
さまざまな料理に合う「ミジュン」
ミジュンはイワシに似た味で、刺身やから揚げ、アンチョビなど、さまざまな料理にして楽しむことができます。沖縄に行った際はぜひ、現地で親しまれているミジュンの味を楽しんでみてください。
(サカナト編集部)