体長2~3センチの小型の海水魚「ミジンベニハゼ」を知っていますか?
あざやかな黄色の体色が特徴のミジンベニハゼは、貝殻や空き瓶などの身を隠す姿が可愛いと評判です。
この記事では、ミジンベニハゼの生態や特徴について紹介します。
「ミジンベニハゼ」ってどんな魚?
ミジンベニハゼは、スズキ目ハゼ科に属する小型の海水魚。体長は通常2~3センチほどで、名前の通り、非常に小さいことで広く知られる魚です。
ミジンベニハゼは、主に日本や東南アジアの熱帯・亜熱帯のサンゴ礁や岩礁地帯に分布。日本では、東京湾から南の太平洋側のほか、日本海側では兵庫より西でよくみられます。
ミジンベニハゼの体色は一様に明るい黄色ですが、時に淡い赤みを帯びることもあります。このあざやかな色合いにより「美しい小型魚」として注目されており、ダイバーや熱帯魚好きからの人気も高いです。
貝殻や空き瓶などに住むミジンベニハゼ
ミジンベニハゼは、驚くとすぐに隠れ場所に逃げ込む習性があることで知られています。その習性から、自然環境にある貝殻や空き瓶などの隙間を住み家に選ぶことも多いです。
ミジンベニハゼは巣として選んだ貝殻や瓶の中で卵を産み、親魚がそれを守るという繫殖行動をとります。狭くて外部からみえない場所を居場所に選ぶのは、外敵から身を守るだけでなく、繁殖や卵を守るという目的もあるのですね。
小さな体を活かし、狭い場所に身をひそめてじっとしているミジンベニハゼの様子はとてもユニークで可愛らしく、水中写真の被写体としても大人気。
びっくりするとすぐに奥に引っ込んでしまうため、観察する際は刺激しないよう静かに見守りましょう。
ミジンベニハゼとキイロサンゴハゼの見分け方は?
ミジンベニハゼは、見た目の印象がキイロサンゴハゼと似ていることでも知られています。どちらも全長3cmほどの小さな体と黄色い体色が特徴なため、一見すると同じ魚にも見えてしまうのです。
ミジンベニハゼとキイロサンゴハゼを見分ける際は、生息場所や体の形に注目しましょう。
砂底や泥底などを好み、貝殻や空き瓶の奥に潜む習性のあるミジンベニハゼに比べ、キイロサンゴハゼはその名の通り、基本的にサンゴの上で生活しており、普段はサンゴの枝の間に潜んでいることが多いです。
また、比較的細長く、典型的なハゼの形をしているミジンベニハゼに比べ、キイロサンゴハゼの体型は少々丸みを帯びており、体全体がややずんぐりした印象があります。
水族館やアクアショップなどで見かけたら、ぜひ見比べてみてくださいね。
(サカナトライター:糸野旬)