“金魚の王様”とも言われる「らんちゅう」。ペットショップなら1匹500円ほどで手に入ることもありますが、過去には100万を越える超高級らんちゅうもいました。
同じらんちゅうなのに、一体何が違ったのでしょうか?
毎年品評会が行われる「金魚の王様」
らんちゅうは漢字で「蘭鋳」と書き、江戸時代の末期ごろに中国からやってきたと言われています。
背びれがなく、額から頬あたりに発達した肉瘤が特徴です。
らんちゅうはそのずんぐりむっくりとした愛らしい体型と力強い泳ぎ方から「金魚の王様」と称され、毎年全国各地で品評会が行われています。
品評会で優勝したらんちゅうは価格が一気に高騰し、ある老舗金魚店はお客から「100万で売ってくれ」と言われたこともあったのだとか。
高級らんちゅうの魅力とその価格の決め方
しかし、ペットショップで売られている「らんちゅう」なら500円程度でお迎えすることも可能です。
実は、品種は同じらんちゅうでも、価格が高いものにはちゃんとした理由があります。
品評会で優勝したというブランド力のほか、らんちゅうの価格が高くなる要因には次のようなものが挙げられます。
色柄のバランス
最もスタンダードならんちゅうは“素赤”といって、白色が全く入っていません。
らんちゅうの中でもとくに人気の高い紅白のカラーバランスが“カナコ柄”と呼ばれるもの。赤・白・赤・白……と鱗の色が交互になっているものになります。
尾開きの良さ
らんちゅうは、基本的に上から見て楽しむ品種です。尾の開きが悪いと上から見た時に貧弱そうな印象を与えてしまうのです。
泳ぎ方
らんちゅうといえば王様然とした力強く、かつ優雅な泳ぎ方が人気です。
泳ぎ方は飼育方法に影響を受けるため、安価なペットショップ管理のものは頭やお尻を振って動いているケースがあります。
日本でなぜらんちゅうはこんなに人気なのか
らんちゅうは元々中国発祥の金魚ではあるものの、今や日本でも愛好家が多数いる人気の品種です。
その背景には、品評会が盛んなことが関係していると思われます。品評会は全国各地のブリーダーが自慢の一匹を披露する場所でもあるため、当日はブリーダー同士で育成技術などの情報交換などが盛んに行われています。
こうしたコミュニティがあることで、もらんちゅう好きの輪が広がっているのです。
お気に入りの一匹を見つけよう
品評会に出るらんちゅうは厳しい審査基準をクリアしたもので、確かに実際に見るととても美しいものです。ですが、自分たちで飼う場合はそこまで高級なものにこだわる必要はありません。
人気が出やすい色柄こそあれ、実際の好みは千差万別。結局は自分の目で見て一番惹かれる子がいちばんです。
ペットショップに行った際は、自分の直感でお気に入りの一匹を見つけてあげてくださいね。
(サカナトライター:桐田えこ)