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タイの名にあやかった魚<あやかり鯛>たち 体の赤色や形が名前のポイント!

皆さんは、タイという名前がつくのにタイじゃない魚を挙げることはできますか?そもそもタイってどの魚を指すのでしょうか。この記事では、タイにあやかって名付けられたあやかり鯛について紹介します。

<あやかり鯛>とは タイとはマダイの仲間を指す!

タイではないのに名前にタイがついている魚をあやかり鯛と呼ぶことがあります。鯛とは本来、スズキ目スズキ亜目タイ科に属する魚のことを指します。日本近海に住むタイ科の代表はマダイ。ほかにも、マダイ、チダイ(ハナダイ)、キダイ(レンコダイ)、アカレンコ、キビレアカレンコ、タイワンダイ、ホシレンコ、ヒレコダイ、ヘダイ、クロダイ、キチヌ(キビレ)、ミナミクロダイ、ナンヨウチヌ、オキナワキチヌと、本記事執筆時点(2024年1月)で14種類の魚が属しています。

マダイ(提供:PhotoAC)

ここに挙がっていない「○○ダイ」と名前の付く魚は、鯛のネームバリューにあやかった「あやかり鯛」とされています。

タイのような赤色が綺麗な<アマダイ>

アマダイはスズキ目アマダイ科アマダイ属に分類される魚の総称です。日本近海では5種のアマダイがみられ、このうちアカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイがよく食用として扱われています。名前の由来は、身がほのかに甘いことから甘鯛とする説と、尼さんの顔に似ていることから尼鯛とする説があります。タイという名称は、赤色の体がタイを連想させることからついたようです。

アカアマダイ(提供:PhotoAC)

日本海で獲れるアカアマダイは京都ではぐじと呼ばれ、京料理に欠かせない高級魚として珍重されています。

体の形がタイに似た<イシダイ>

頑丈な歯を持つイシダイもあやかり鯛の一種。スズキ目イシダイ科イシダイ属に属する魚で、インド洋から太平洋にかけて広く分布しています。浅い海の岩礁地帯で暮らす魚で、磯釣りのターゲットとしても人気です。名前の由来は石をもかみ砕く歯を持つことから石鯛、磯にすむことから磯鯛という説があります。体高が高めで、左右に平たいタイ型の体つきをしています。

イシダイ(提供:PhotoAC)

成長すると縞模様がなくなり、口の周りが黒くなるためクログチとも呼ばれます。

体の赤色がタイに似た<キンメダイ>

キンメダイは水深200m~800mに多く生息する深海魚です。綺麗な赤色がタイを連想させますが、本種もタイの仲間ではなくキンメダイ目キンメダイ科キンメダイ属の魚です。同じキンメダイ属にはナンヨウキンメ、フウセンキンメの2種が属しています。タイに似た体の色と、金色にみえる瞳の色が和名の由来です。

キンメダイ(提供:PhotoAC)

淡白な身が特徴で、主に煮つけとしてよく食べられています。関東近海で漁獲されることが多かった魚ですが、近年では海外から輸入されたキンメダイの流通も増え、より身近な魚になりました。

古くから民衆に愛されてきた<ブダイ>

ブダイはスズキ目ブダイ科ブダイ属の魚です。ブダイという名前の由来にはいくつかの説があります。鎧を着た武士のようであることから武鯛、舞うように泳ぐ姿から舞鯛、鯛に比べて不格好であることから不鯛とする説があります。日本近海だと温暖な海域に分布しており、食用としても流通しています。これまで挙げた魚たちやタイに比べると大型な種です。

ブダイ(提供:PhotoAC)

旬が冬であることから、俳句の季題として扱われることもあり、古くから民衆に親しまれてきた魚だということがわかります。

タイでもマンボウでもない<マンダイ>

マンダイはアカマンボウ目アカマンボウ科アカマンボウ属のアカマンボウという魚の別名です。最近ではマンダイとしてスーパーで見かけることもあります。

アカマンボウ(提供:PhotoAC)

マンボウに似て平たく円形に近く、2メートルにまで成長します。タイとは似ても似つかないユニークな見た目ですが、体の赤みがタイを連想させたのでしょうか。和名にマンボウとついていますが、マンボウの仲間でもなく、深海魚として有名なリュウグウノツカイと近縁の魚です。

あやかり鯛も美味しく食べることができる!

あやかり鯛はタイより劣っている魚というわけではないので、美味しく食べることができる魚や見栄えのいい魚が多く存在します。何より、タイとついた魚の多さから、日本人がタイや赤い魚に持つ、美味しい、めでたい、高級といったイメージを窺うことができますね。

マダイの養殖がすすんだことから、現在ではタイより高級な魚として扱われるものもあります。タイという名前がついたあやかり鯛を食べられる機会があれば、ぜひタイと食べ比べてみてください。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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