寿司の定番ネタの一つ「えんがわ」。
えんがわは大手回転寿司チェーン店でもよく見られ、脂の乗りとコリコリした食感が人気の寿司ネタです。
では、このえんがわとは一体どのような魚なのでしょうか。
えんがわとは
寿司ネタの「えんがわ」は、カレイ・ヒラメ類の背びれ、臀びれを支える担鰭骨(たんきこつ)についた筋肉のことを指します。
見た目が日本家屋で見られる「縁側」に似ていることから、このような呼び名が付きました。
通常、大きな魚では採れるえんがわの量も多くなるため、カレイ目の中でも大きくなるヒラメやオヒョウなどが原料となります。
もちろん小~中型種にもえんがわはありますが、採れる量が少ないため、寿司ネタになることはあまりないでしょう。
回転寿司におけるえんがわ人気
えんがわは回転寿司においても定番であり、多くの回転寿司チェーン店などでも提供しています。
マルハニチロが行った調査「回転寿司に関する消費者実態調査2024」では、えんがわが男女共に「回転寿司店でよく食べるネタ」の8位にランイクインしており、全体ではイカに次ぐ人気となりました。
全体のランキングではサーモンやネギトロ、中トロ、ブリ・ハマチがランクインしており、脂が乗ったネタが好まれていることが読み取れます。
えんがわの原料は回転寿司チェーンによって異なる
回転寿司では定番メニューとしてのえんがわが100円~200円程で提供されています。
えんがわの原料として使用される魚にはヒラメがいますが、ヒラメのえんがわは高級ネタ。この価格帯での提供は難しいでしょう。
では、大手回転チェーン店のえんがわにはどんな魚が使われているのでしょうか?
これは各企業がインターネット上で公開している、原材料・原産地で簡単に確認することが可能です。
例えば、かっぱ寿司のえんがわにはアメリカ産もしくはカナダ産のアブラガレイが使用されています。
くら寿司では、アメリカ産等のアブラガレイ・カラスガレイなどをえんがわに使用。魚べい・元気寿司では種名の表記がないものの、産地が「アメリカ・カナダ他」となっているほか、同社のメニュー「あぶらがれい」にはアメリカ、ロシア産のアブラガレイが使用されています。
では、回転寿司のネタに使用されているアブラガレイやカラスガレイはどのような魚なのでしょうか。
アブラガレイとカラスガレイ
アブラガレイとカラスガレイはどちらもカレイ科に属する大型種で、えんがわを採るのに適した魚です。
加えて、価格が安く脂が乗っていて美味しいことから回転寿司のネタに向いています。
耳馴染みのない魚たちですが、いずれも深場に生息する種であり、カレイ科の中では口が大きく、歯が犬歯状に発達していることが特徴です。
どちらも外見がよく似ますが、カラスガレイは上眼が頭部背縁にあるのに対して、アブラガレイは上眼が頭部背縁にないことで区別することができます。
カラスガレイは北半球の寒帯・亜寒帯(アイスランド、デンマークなど)に広く分布し、アブラガレイは東北以北、オホーツク海~ベーリング海に生息。日本においては北日本を中心に水揚げがあります。
えんがわの原料としてだけではなく、切り身も美味とされ脂の乗ったアブラガレイまたはカラスガレイを煮付けにしたものは定番の総菜です。
認知度は低いが美味しい魚たち
回転寿司店で人気のネタの一つ「えんがわ」には、アブラガレイやカラスガレイといった魚が使われていることが分かりました。
これらの魚は美味しく手頃な価格で提供できることから、多くの回転寿司店で提供されています。
回転寿司店をハシゴして、アブラガレイとカラスガレイを食べ比べしてみても面白いかもしれませんね。
(サカナト編集部)