「うわ~、なにこれ?!」
そんな声が飛び交う、東京・新宿のとある一角。
イベント参加者たちは、熱気むんむんで手元をのぞき込みます。
<チリメンモンスター>を探す?
私たちが普段食べている、美味しいちりめんじゃこ。
海で獲れた時には、実は別の種類の生き物が混ざってしまうことがあるんです。

今回は、そんなちりめんじゃこに混じった小さな生きものたち、通称「チリメンモンスター(略称:チリモン)」(きしわだ自然友の会の登録商標)を探すイベントの様子をお届けします!

今回のイベントはサカナに特化した本屋『SAKANA BOOKS』の2階スペースで開催。全面協力をしてくれたのは「~travelling museum~ 博物倶楽部」です。

博物倶楽部は、首都圏近郊の市民でつくるサイエンスボランティアサークル。博物倶楽部の魚類担当、久保徹郎さんが今回の講師を務めます。
まずは座学 ちりめんじゃこについて学ぼう!

今回は大人向けのワークショップということで、座学パートも充実!
私たちが食べているちりめんじゃこ。なんという種類の魚を原料にしてつくられるのか知っていますか?
イワシの仲間かな、ということまではわかる方も多いかもしれません。その主な正体はカタクチイワシ。
ニシン目カタクチイワシ科に分類されるカタクチイワシが、ちりめんじゃこの主な原料。マイワシなどに比べ、下顎が小さいため上顎がにょきっと目立ち、口が片方しかないようにみえることが名前の由来ともいわれるそう。
そもそも<ちりめんじゃこ>って何だ?
座学ではまず、「そもそもちりめんじゃこって?」「その原料はなに?」というところからイワシ類の仔稚魚(シラス)をはじめ、カタクチイワシの一生を紹介したり、その漁獲方法や製法を説明したりと、チリメンモンスターと切っては切れない関係の<ちりめんじゃこ>への理解を深めます。
その後は多様なチリメンモンスターたちの紹介も。参加者の皆さん、楽しみつつ熱心に解説を聞いている姿が印象的でした。
実践!<チリメンモンスター>探し

通常のちりめんじゃこは異物をできるだけ取り除き、食べるうえで安心安全な状態で売られています。
ですが、今回は特別にちりめんじゃこの製造工程ではじかれたチリメンモンスターをあえて寄せ集め、“チリメンモンスター探し専用(食用不可)”の試料を用意していただきました。

手元に広げたちりめんじゃこからチリメンモンスターを選り分けます。これがまた楽しい!皆さん自然と集中し、もくもく無心で作業していました。

チリメンモンスター探しはずっとわくわくと驚きの連続。「楽しすぎて時間が足りない!」という声もちらほら聞こえていました。
チリメンモンスターを同定
魚類、イカ・タコ・貝類……と見た目からわかる範囲で、大まかに分けていきます。

大まかにチリメンモンスターの種類を分けたあとは、『海のミクロ生物図鑑 チリメンモンスターの中に広がる世界』(仮説社)を使用して、種類を調べてきます。

「この図鑑を使ってどうやったらうまく調べられるの?」「このチリメンモンスターはこの種類で合っているの?」などチリメンモンスター探しに関する専門的な内容を、参加者の皆さんは講師の久保さんや博物倶楽部のスタッフさんたちへどんどん質問していきます。
自宅でチリメンモンスター探しをしても、この「種類を絞る、同定する(種類を特定する)」という工程が難しく、挫折する人も多いと思います。
しかし今回はチリメンモンスターに詳しい講師たちに気軽に質問ができる環境のため、まさにチリメンモンスター探し入門にうってつけのイベントなのです!
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