深海展示のある水族館は全国にいくつかありますが、関東圏の中で人気の水族館の一つと言えば、「新江ノ島水族館(通称えのすい)」です。地元となる湘南の海や駿河湾などで調査研究も活発にしている、地域密着型の水族館でもあります。
そんな新江ノ島水族館では4月6日まで、『えのすいの深海展 -ディープ度 200%-』を開催中。深海の生きものたちをぜひ見たいと思い、実際に訪問してきました。
本記事は2025年3月に訪問した内容を基に執筆しています。時期によって展示内容は異なるため、ご注意ください。
【画像】1年で35ヶ所の水族館を訪問した筆者が選ぶ<心に残った展示3選>
早速入り口へ!

館内へ進むために階段を登っていくと、深海展のパネルが掲示されていました。
このパネルの横一面はガラス張りになっていて湘南の海が一望出来るのですが、それが更にワクワク感を増長させます。
この広い海の奥深くには、深海の世界が広がっているのか……と思いを馳せながら順路を進んでいきます。
展示エリアへ 採集でき次第、順次展示?

順路を進むと早速、深海生物たちがいる小窓水槽が登場!
天井には大きなリュウグウノツカイのレプリカがあって迫力がありますが、それよりも水槽の魚たちが気になります。
実はこちらの水槽の深海生物、<採集でき次第順次展示!>ということで、えのすいのXで随時告知されるのが特徴。展示したばかりの生物には「NEW!」の文字が貼ってあり、行くたびに見れる生きものも変わりそうです。
水槽の中は真っ暗で遠目には見えないので、近づいて水槽を覗いてみます。
水槽を覗いてみると…
まず気になったのが、ワヌケフウリュウウオ。たまたまガラス面の近くに居てくれて、じっくり観察することができました。
このフォルム、まさに深海魚って感じ。とても小さいのに、ゴツゴツとした体表と鋭利な胸びれがイケイケで格好いいですが、目はクリクリとしています。

名前の由来の通り、背中に輪っかのような模様があるのが分かります。かっこよさとポップさを兼ね備えた、面白い魚です。
そして、なんといってもこの魚、大粒の目にコバルトブルーの瞳が美しい!どうしてこんなに青いのでしょうか。
一度目が合ったら忘れられないような、一目惚れしちゃうような綺麗さでした。ぜひ生で見てもらいたいです。
透明感のある体を持つ<アカモンミノエビ>
続いて気になったのは、アカモンミノエビ。全身を見ると、尾の近くに赤い丸点がぽつっとあるのが分かります。名前の由来の“アカモン(赤紋)”ですね。
水槽を通すと分かりにくいですが、体表が茹でた後のような赤い色味。シャコに見えるほどとても大きく、存在感がありました。

意外とサイズが大きくて、透明感のある体をしているので体の中もうっすら見えます。生きているんだなあ、というのが伝わってきますね。
危険が迫ると、口から青白い発光液を出して敵の目を欺くのだとか。

他にも、小窓には様々な深海の生き物が展示されています。水槽は曇りなくとても見やすかったので、ゆっくり観察することができました。
深海探査機が間近に!
さて、水槽を後にして館内を進むと深海探査機が登場!
新江ノ島水族館では「しんかい2000」の常設展示がされていますが、こうした特殊な探査機器が展示されているのは他の水族館ではほとんど見たことがない気がします。

ワクワクしながら近くで観察してみると、カメラとアームのようなものが見えました。

耐圧のカバーが施されたカメラは高性能(4K)で、深海の様子をクリアに観察可能。また、横につながっているホースから生き物を採集することもできるようになっています。
展示では、えのすいの公式キャラクター・あわたんが採集されていました(笑)。
狭いところはカメラが入っていけないので、アーム状の機械で探っていきます。アームは熊手のようになっているのが面白いですね。
機械の隣では、実際に深海で撮影された映像も放映しています。

他にも、生き物の展示やシーラカンスのレプリカがありましたが、カメラでの撮影は難しかったので断念。ぜひご自身の目で見に行ってほしいと思います。
実は深海魚! 大好きなあの魚に出会う
特別展の展示からは外れますが、実は私の好きな魚が展示されていると聞きつけ、見に行きました。
それが、ハタハタです。

日本海側を中心に、特に東北地方で有名な魚。秋田県では県魚にも指定されていますが、関東地方に住んでいるとなかなかお目に掛かれないため、魚にあまり関心がない場合は知らないという人も多いかもしれません。

日中は砂地に潜って休み、夜になるとエサを得るために泳ぎます。泳ぎはゆったりとしていて、広がるヒレを大きく優雅に動かします。
魚影からも、大きく広がる胸ビレの存在感が伝わります。

深海とは一般的に水深200メートルより深い海域のことを指しますが、ハタハタは水深200~400メートル付近に生息しているとのことで、実は深海魚と言えます。
「深海展」での展示ではないのですが、深海魚としてぜひこの優雅な泳ぎ姿も見ていただきたいです。
絵からみる深海の姿
他にも、館内では深海に関連して話題となった絵本『クジラがしんだら』(童心社)の原画展が開催されていました。

死んだクジラの遺骸が深海の生き物の餌となり、棲家となり、生態系(エコロジー)を生み出しているという内容で、その絵の美しさからも話題となっている科学絵本です。

「死」というのは悲しいことですが、このクジラの「死」が深海の生き物たちの「生」を生み出しています。
クジラの姿が希望として描かれているのがとても印象的です。

気になる人はぜひ絵本も手に取ってみてください。個人的にもすごくおすすめです。
その他にも深海展示多数!
時間の都合ですべてを見て回ることはできませんでしたが、他にもグソクムシ標本の紹介や深海魚タッチ、オリジナルのプロジェクションマッピングショー(クラゲエリア)などもあるようでした。
新江ノ島水族館をよく訪れるという人はもちろん、水族館にはあんまり行かないという人も、全員ディープな深海を味わえること間違いなし。もちろん、通常展示の見応えも抜群ですよ。
深海展は4月6日(日)まで。ぜひ期間中に足を運んでみてください!
(サカナトライター:moka)