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晩夏の高知で<メジカの新子>を味わおう! モチモチ食感でおいしい幻の魚を堪能

8月から9月にかけての短い期間にしか食べられない「メジカの新子(しんこ)」。

メジカの新子とは、マルソウダガツオの生後1年未満の幼魚のこと。とてもおいしいと評判が高いのです。

しかし傷みやすく、メジカを水揚げする漁港まで行かないと食べられないと聞き、これを食べるために高知へはるばるツーリングへ出かけました。

この記事では、メジカの新子について紹介します。とても美味しかったので、ぜひ高知旅行の参考にしてください!

メジカの新子とは?

「メジカ」は2種類のソウダガツオ(マルソウダガツオとヒラソウダガツオ)の愛称で、高知県の須崎市や中土佐町においてこう呼ばれます。このうち、「メジカの新子」とはマルソウダガツオの幼魚を指し、15~25センチくらいのサイズです。

メジカの新子は刺身で食べることがほとんどで、吸いつくようなモチモチ食感が特徴的。知る人ぞ知るおいしい魚です。

一方、メジカの新子はサバの約2倍も傷みが早いといいます。鮮度が落ちると食中毒を引き起こす成分であるヒスタミンが蓄積されてしまうので、昔は水揚げされる地域以外には流通ができず、食用魚としての価値は低かったのだとか。

現在は冷蔵技術が発達したため、高知市内までの流通はあるようで、食堂や居酒屋などでも提供されています。

新子は8月下旬から1ヶ月ほどしか獲れない

血抜きして氷の入った海水中の新子(提供:額田善之)

メジカの新子を食べられる機会は、1年のうち8月下旬から1ヶ月ほどしかありません。メジカ独特のモチモチ食感の刺身は新子の時だけしか味わえないため、新子が獲れる季節だけの稀少な食材なのです。

この短い期間に漁獲があれば食べられますが、悪天候が続いて漁に出れなかったり、漁獲が少なかったりすると食べる機会は減ってしまいます。そのため、“幻の魚”とも呼ばれています。

まさに今が旬のメジカの新子。食べるためには、嵐が来ない日を狙って中土佐町や須崎市を訪れる必要があります。

鰹とメジカの新子を食べ比べ

久礼大正町市場(高知県高岡郡中土佐町)の入口にある山本鮮魚店では、「かつおの食べ比べ丼」というメニューがあり、カツオの刺身と藁焼きタタキを一緒に味わえます。

「かつおの食べ比べ丼」(提供:額田善之)

刺身もタタキも全く臭みがなく、それぞれの個性を堪能できました。刺身はモチっとしてあっさり、タタキは香ばしくてカツオの旨みが凝縮されており、いずれもおいしかったです。

宿泊先で「メジカの新子」と偶然の出会い

そして、メジカの新子は、宿泊したライダー限定の宿「ライダーズイン中土佐」で堪能。なんでも、管理人さんがちょうど知り合いの方からたくさん頂いたそうで、ご相伴にあずかった次第です。ラッキーでした!

メジカの新子は鮮度を保つため、血抜きと血合いの除去を徹底するそうです。実際に食べてみると、臭みもなくモチモチして弾力のあるおいしい刺身でした。

メジカの新子(提供:額田善之)

「ぶしゅかん」という酢みかん(酸味のある柑橘類)の果汁をたっぷりかけて食べるのが一般的で、醤油を少し垂らすとおいしさが何倍にもなります。

メジカの新子は本当にモチモチしていて、弾力もあり、カツオとは全く異なる肉の風味でした。とにかく、おいしくてたくさん頂きました。

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額田善之

額田善之

人生を楽しもう!

愛媛大学理学部生物学科卒の生粋の生き物大好きライターです。特に魚が好きで、子どもと水族館巡りや釣りを楽しんでいます。オートバイで旅をして産地の珍しい魚を食べるのも趣味です。旅行や納豆の記事をよく書きますが、今回から水生生物についても執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

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