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巨大怪魚アカメに会える<四万十川学遊館あきついお>に行ってみた 日本三大清流の多様性を知る【高知県】

高知県四万十市にある四万十市トンボ王国には、「四万十市トンボ自然公園」と「四万十川学遊館あきついお」があります。

2024年3月、四万十市トンボ自然公園は環境省が認定する「自然共生サイト」として登録。自然共生サイトとは、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域のことです。

一方、四万十川学遊館あきついおには、四万十川にすむ淡水魚世界の淡水魚などを飼育展示。“怪魚”とも言われる魚などを展示しているのです。

四万十川学遊館あきついおは<とんぼ館>と<さかな館>で構成

四万十川学遊館あきついおは、とんぼ館とさかな館で構成された博物館。「あきついお」はトンボの古称「秋津(あきつ)」と魚の「うお」がなまった言葉「いお」をつなげた造語です。

四万十川学遊館あきついお(撮影:額田善之/四万十川学遊館あきついお)

とんぼ館とさかな館に分かれていて、それぞれについて楽しく学べる施設になっています。

今回は、さかな館で観察できる魚のうち、特徴的なものを紹介します。

さかな館で飼育展示されている怪魚

ワクワクを刺激するさかな館(撮影:額田善之/撮影場所:四万十川学遊館あきついお)

世界には怪魚と呼ばれる魚が何種か存在します。そして、日本にも“三大怪魚”と呼ばれる魚たちがいます。

日本の三大怪魚は「アカメ」「ビワコオオナマズ」「イトウ」です。このうち、四万十川学遊館あきついおのさかな館では四万十川河口域に生息するアカメと琵琶湖に生息するビワコオオナマズの2種が展示されています。

なお、イトウは北海道に生息する最大2メートルにもなるサケ科の大型魚です。

また、世界の怪魚からはピラルクーが展示されています。

日本の三大怪魚<アカメ> 高知県では注目種に指定

アカメ(学名:Lates japonicus)は全長80センチ程度(最大130センチ)のスズキ目アカメ科の魚で、獰猛に小魚やエビなどを捕食する肉食魚。高知県や宮崎県沿岸や河口域などに生息しています。

光が当たると眼が赤く反射することが特徴的です。

高知の注目種「アカメ」(撮影:額田善之/撮影場所:四万十川学遊館あきついお)

アカメは大型肉食魚として釣りのターゲットにもなりますが、環境省レッドリスト2020で絶滅危惧IB類 (EN) として指定されている希少種です。絶滅危惧IB類 (EN) はIA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いものを指します。

このことから、高知県では注目種に指定して、釣り人にはキャッチ&リリースを推奨しています。

注目種とは、その地域では今すぐに絶滅するおそれはないものの、特徴ある分布や生息の状況からその地域を代表すると認められた種のことです。

日本の三大怪魚<ビワコオオナマズ> 琵琶湖淀川水系の固有種

日本で最大のナマズであるビワコオオナマズ(学名:Silurus biwaensis)は、琵琶湖淀川水系の固有種。体長は最大で1.2メートルにも達し、名前のとおり大型のナマズです。

ビワコオオナマズ(撮影:額田善之/撮影場所:四万十川学遊館あきついお)

普通のナマズと比べて、アゴの突出が著しく、頭部が長く扁平であり、尾ビレの形状も異なります。

ビワコオオナマズはフナやアユなどをエサにする肉食魚。ブルーギルなどの外来種によるエサの減少や護岸工事などによる生息場所の減少により生息数が減少し、滋賀県や大阪府では準絶滅危惧種に指定されています。

世界の怪魚<ピラルクー> アマゾン川に生息

世界には深海魚から淡水魚まで多くの怪魚と呼ばれる魚が存在します。そのうち、アマゾン川に生息するピラルクーは、誰もが怪魚として頭に浮かぶ魚でしょう。

あきついおではピラルクーも飼育展示されており、その大きさと美しさを堪能できます。

ピラルクー(撮影:額田善之/撮影場所:四万十川学遊館あきついお)

ピラルクー(学名:Arapaima gigas)は鱗を持つ淡水魚の中で最も大きい魚とされ、最大4.5メートルの記録があるそうです。また、古代より姿を変えずに存在する古代魚の仲間としても知られています。

現地の言葉で「ピラ」は魚を、「ルクー」は赤い灌木を意味するそうです。成魚になると鱗が赤くなる部位があるため、このような名前になったと考えられています。

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額田善之

額田善之

人生を楽しもう!

愛媛大学理学部生物学科卒の生粋の生き物大好きライターです。特に魚が好きで、子どもと水族館巡りや釣りを楽しんでいます。オートバイで旅をして産地の珍しい魚を食べるのも趣味です。旅行や納豆の記事をよく書きますが、今回から水生生物についても執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

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