株式会社ふく成は4月28日、天草産サクラマスの新ブランド「桜空(さくら)」を正式に発表しました。
サクラマス「桜空」は稀少性と地域性、サステナビリティを核にした同社オリジナルブランド。専用飼料と株式会社Smoltの高温耐性サクラマス種苗を導入した“高付加価値ブランド魚”として、今後は高級飲食店やホテルなどに展開するといいます。
高温耐性サクラマスとは
高温耐性サクラマスは、Smoltが高温耐性が高い系統を6世代にわたり選抜育種し、開発した品種です。
水揚げされた桜空(提供:ふく成)この品種は、従来のサーモンでは18度以下が必要なのに対し、20度前後でも安定して成長できることが特徴的で、温暖な地域でも養殖することができます。
サーモン業界が海水温上昇の影響を受ける中、高温耐性サクラマスは革新的な技術といえるでしょう。
既存の魚種からの脱却へ
熊本県天草市御所浦は豊かな海域であり、トラフグやマダイの養殖地として知られています。
しかし近年は、海水温の上昇により赤潮が頻発。養殖業への被害は深刻化しているといいます。そのため、ふく成では既存魚種からの脱却と環境変動に強い新たな養殖魚種の導入が急務となっていたのです。
水揚げされた桜空(提供:ふく成)こうした中で、ふく成は2025年12月よりSmoltが開発した高温耐性サクラマスの種苗約2000尾を導入。熊本県では初となる海面試験養殖を開始しました。
二毛作経営が可能に
高温耐性サクラマスの種苗導入に伴い、トラフグやマダイ出荷後に空いた生簀を活用することで、サクラマス養殖との二毛作経営が実現しているといいます。
さらに、ふく成が独自開発委した鮮度保持技術「Firesh」を活用し最高品質での出荷体制も確立するなど、天草産地サクラマスが「桜空」として正式にブランド化されました。
高付加価値サーモン養殖の普及
トラフグやマダイの出荷後に空いた生簀を活用した高温耐性サクラマスの養殖。この二毛作経営は環境変動への対応や収益の安定を実現しているようです。
「桜空」は今後、高級飲食店や料亭、ホテルへの業務用卸のほか、百貨店やECでの販売を予定。将来的には海外への展開も視野に入っているようです。
Smoltは九州や中国・四国エリアを中心に、高付加価値サーモン養殖の普及を推進していくとしています。
(サカナト編集部)