一般社団法人アクアポニックス推進協会は5月22日、水産養殖と水耕栽培を組み合わせた食料生産システム「アクアポニックス」に特化した第三者認証制度「日本アクアポニックス生産物認証(JAPC)」を設立したことを発表しました。
国際規格に準拠した国内初の仕組みとして、安全性と環境配慮を両立する生産工程を客観的に証明し、アクアポニックス由来の野菜や魚を安心して選べる新たな指標の提供を目指します。
注目のアクアポニックス 国際規格に準拠へ
アクアポニックスは、魚・微生物・植物が一体となった循環システムにより、高い資源循環効率を実現する生産方式として世界的に注目されています。
アクアポニックスの仕組み(提供:一般社団法人アクアポニックス推進協会)一方で、日本の有機JAS制度では土壌栽培が原則とされるため、水耕栽培やアクアポニックスは有機認証の対象外となっており、その価値を示す公的な指標が存在しませんでした。
こうしたギャップを埋ぐべく、環境負荷の低さや安全性といったアクアポニックスならではの強みを「見える化」する手段として創設されたのがJAPCです。
JAPC(Japan Aquaponics Products Certification)は、アクアポニックス推進協会が策定した「日本アクアポニックス生産基準」に基づき、生産者とその生産物を審査・認定。国際基準に準拠しており、アクアポニックス生産物の品質と信頼性を世界水準で担保することを目指すといいます。
生産基準の柱は「品質・安全・持続可能性
JAPCでは、生産工程における「品質保証」「食品安全」「環境と持続可能性」の3分野にわたり詳細な基準を設定しています。
品質面では、水質の定期モニタリングや使用資材の管理、年1回の自己監査と記録の徹底など安定した生産体制の構築を設定。食品安全の項目では、化学肥料や農薬、魚への抗生物質・ホルモン剤添加、GMO種子の使用を禁止し、アクアポニックス生産物の「安心・安全」を前面に打ち出します。
さらに環境面では、排水ゼロまたは半循環方式を基本とした水利用、廃棄物や汚染物の適切な処理、再生可能エネルギーの活用推奨など、循環型農業としての持続性を高める要件を設けています。
アクアポニックスの価値・認証方法(提供:一般社団法人アクアポニックス推進協会)アクアポニックス推進協会は、認証マークが付与された野菜や魚などが、第三者機関によって「安心・安全・持続可能」な方法で生産されていることが証明された商品として、消費者や流通関係者が選ぶ際の新たな判断材料になるとしています。
JAPCの対象は、アクアポニックスシステムで生産された野菜・ハーブ・魚類・甲殻類などの農水産物の生産工程で、有効期間は認証日から3年間(更新審査を経て継続可能)です。
認証の活用法を紹介するオンライン勉強会
アクアポニックス推進協会は制度開始に合わせ、オンライン勉強会を実施するなど普及を図る考えです。
アクアポニックス生産者の取り組みを見える化することで、消費者にとっても持続可能な食料生産の選択肢が広がるきっかけとなるかもしれません。
JAPC制度の詳細は、日本アクアポニックス推進協会の公式ホームページに掲載されています。
(サカナト編集部)