水深300m~500mの深海に生息する「ミノエビ」。
普段生活していてもなかなか出会うことはないエビですが、中には不思議な生態を持つものがいます。
ミノエビの仲間には、外敵から襲われると青く光る発光液を出して、まるで忍者のように逃げる種類がいることが知られているのです。
変わった生態を持つミノエビは、実は食べても美味しいエビ。今回はそんなミノエビの不思議な生態と、実際に食べてみた味やおすすめの食べ方をまとめました。
太平洋側に生息するミノエビ
ミノエビは本州から九州の太平洋側の深海300m~500mに生息する深海性のエビで、ホッコクアカエビ(アマエビ)やボタンエビと同じくタラバエビ科に分類されます。
名前の由来は、胴の部分の殻がお腹の下まで下がっている様子から、日本の伝統的な雨具の「蓑(みの)」をかぶっているように見えるため、「ミノエビ」と呼ばれるようになったとされています。
漁獲量は少なく、太平洋側の底引き網漁を行っている地域周辺でしか流通していません。またミノエビだけを狙った漁はされておらず、他の魚種の漁に混じって混獲されるため、まとまった出荷がない希少なエビです。
底引き網漁の様子 袋状の網を海底まで沈めて、船で引っ張りながら魚介類を獲ります(提供:PhotoAC)青い発酵液を出すのが特徴
ミノエビの仲間は、驚くと口から青白い発光液を出す不思議な生態を持っており、その姿はまるで忍者のようです。
この発光液は、外敵から襲われた際に放出して、相手の目をくらませるために使われているのではないかと言われています。
深海生物の多くは、「ルシフェリン」と呼ばれる発光物質と酵素による化学反応で自家発光します。ミノエビも他の深海生物と同じ仕組みで、自分を捕食しようとする外敵の目をくらましていると考えられています。
ミノエビにはどこで会える?
不思議な生態を持つミノエビは漁獲量が少ないため、出会えたらとてもラッキーなエビです。太平洋側の市場でしか出会うことが出来ない上に、まとまった漁獲量がないため、市場に行っても必ずしも出会えるとは限りません。
水族館でも、過去に展示していたところはありますが、飼育が難しいことから常設展示はされていない模様です。
今回筆者は、底引き網漁が行われている愛知県のさかな市場「三河一色さかな村」で、運よく出会うことができました。
三河一色さかな村(撮影:さかなおき)「三河一色さかな村」は、“図鑑級のレア魚”に出会えることでも知られる市場。ミノエビは貴重なエビですが、この時の値段はひとカゴ1000円(税込)とお買い得な価格でした。
ミノエビを実際に食べてみた!
さっそく購入してその日のうちに、まずはお刺身にして食べてみました。
ミノエビの刺身(撮影:さかなおき)身の部分は小さいながらも、アマエビのようなほのかな甘みがありとても絶品。頭の部分にも濃厚なエビミソがたくさん詰まっており、無限にすすりたくなります。頭のミソが一番美味しいので、頭は絶対に捨てないようにしましょう。
ミノエビの素焼き(撮影:さかなおき)他にもミノエビの素焼きや、ミノエビのブイヤベースも作りました。
ミノエビのブイヤベース(撮影:さかなおき)濃厚な頭のミソが溶けだしたブイヤベースは、他の魚介類の出汁と相まって、奥深いうま味を引き出していました。ミノエビのミソを使えば、味噌汁やアヒージョなどでも相性バツグンでしょう。
ミノエビは刺身から汁物まで何にでも合う万能食材でした。
ユニークな生態&美味しいミノエビ
ミノエビはとてもユニークな生態を持つ上に、食べても美味しい最高のエビ。ミノエビの生態を知れば知るほど、その味も比例して美味しくなるでしょう。
なかなか出会えないレアなエビですが、市場で見かけた際はぜひ買って食べてみてください。