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国内の他の地域から人為的に持ち込まれた「国内外来魚」

カワムツが多い関東の河川。そういえば在来のアブラハヤやウグイが見られないような気も……(撮影:椎名まさと)

オヤニラミと同じように国内の他の地域から人為的に持ち込まれた魚を「国内外来魚」とよびます。その国内外来魚について大きな問題がいくつか起こっている、または起こる可能性があります。

よく知られているものとしては「在来生物の捕食」があげられますが、このほかにも「病気や寄生生物・藻類の持ち込み」「交雑による不稔」「遺伝的攪乱」「生態系地位の競合」など難しい問題が多くあります。

現在琵琶湖から関東に持ち込まれた国内外来魚の多くはアユの放流と同時に移植されたものとされ、そうなると愛好家にできることは限られますが、とにかく放流はやめ、できれば移入された魚の駆除につとめ、また採集に使った道具もよく洗浄するなどの行動が求められます。

オヤニラミと上手くかかわる

オヤニラミは絶滅危惧種であり、かつ国内外来魚であるという、2つの相反する問題を抱えている魚といえます。乱獲と放流を避け、これからも魅力的な淡水魚とかかわることができるようにすることがオヤニラミをはじめ、日本産淡水魚愛好家の使命といえます。

Web『サカナト』をご覧の皆さんも、飼育していた生物の野外への遺棄はしないようにしましょう。

(サカナトライター:椎名まさと)

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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