公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)と株式会社ニッスイは、インド西海岸で漁獲されるすり身原料魚の持続可能な利用に向けた漁業改善プロジェクトを開始しました。
両者は今年7月から2031年6月までの5年間、WWFインドや現地関係者と連携し、資源管理や混獲対策などに取り組みます。
インド産すり身原料魚をめぐる課題
かまぼこやちくわ、魚肉ソーセージなどに使われるすり身は、日本の魚食文化を支える水産加工品の一つです。
海外でも需要が高まるなか、原料魚の供給国としてインドの重要性が増す一方、インド西海岸のアラビア海で行われるイトヨリダイやタチウオなどの漁業では、資源状態に関するデータ不足に加え、幼魚の漁獲や混獲などが課題となっているといいます。
左:すり身の原料魚を漁獲する漁船 右:インドの漁港で水揚げされたイトヨリダイ © WWF-India(提供:WWFジャパン)海洋生態系や生物多様性への影響も懸念されており、持続可能な漁業に向けた管理体制の整備が求められています。
5年間で資源評価や混獲対策などを実施
今回のプロジェクトでは、対象魚種をイトヨリダイ、タチウオ、エソ、ヒメジの4魚種とし、インド西海岸沿岸のグジャラート州、マハラシュトラ州、ゴア州、カルナータカ州、ケララ州を対象地域としています。
MSC漁業認証規格を基準の一つとして、対象魚種の資源評価や漁業管理に加え、混獲の削減、生息環境への影響の把握と低減、管理体制の強化、トレーサビリティの改善などを段階的に進めるといいます。
サプライチェーン全体の持続可能性向上へ
両者はプロジェクトを通じて、インド西海岸の海洋生態系や沿岸漁業の保全とともに、日本を含む各国・地域へつながる水産サプライチェーンの持続可能性向上を目指します。
WWFジャパンは、現地の漁業者や企業、行政機関などとの連携を進める方針を提示。ニッスイも、すり身を食品事業における重要な原料の一つと位置付け、持続可能な水産資源の利用に向けた取り組みを進めています。
両者の連携は、日本で消費されるすり身の原料調達を起点に、漁場となるインド西海岸の環境保全や漁業管理まで視野に入れた取り組みとなります。
今後、調達企業やサプライチェーン関係者との協働を広げながら、持続可能な水産資源の利用に向けた取り組みが進められる予定です。
※2026年9月27日時点の情報です
(サカナト編集部)