メガネスズメダイ Pomacentrus bankanensis
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image3-16.jpg)
四国で採集できるメガネスズメダイの子(撮影:椎名まさと)
メガネスズメダイはソラスズメダイ属の魚です。ソラスズメダイ属の魚もいくつかの種では幼魚と成魚で大きく色彩が異なっています。メガネスズメダイの幼魚は背中が赤く青い線が入り美しいのですが、成魚は黒っぽい体になります。
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image4-14.jpg)
メガネスズメダイの成魚(撮影:椎名まさと)
同じように幼魚はきれいでも成魚は黒く地味になるソラスズメダイ属の魚としては、クロメガネスズメダイ、オジロスズメダイ、スミゾメスズメダイなどが知られています。
ミヤコキセンスズメダイ Chrysiptera leucopoma
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image12-4.jpg)
ミヤコキセンスズメダイの幼魚(撮影:椎名まさと)
ルリスズメダイ属の魚です。本種の幼魚はながいこと「きんらんすずめだい」と呼ばれていました。幼魚は千葉県などに生息しており、晩夏から秋にかけて磯で採集することができます。
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image5-13.jpg)
潮だまりで群れるミヤコキセンスズメダイの成魚(撮影:椎名まさと)
背鰭に大きな目玉のような模様があるためチョウチョウウオ科の魚と間違えられやすいのですが、体高はチョウチョウウオのように高くはなりません。飼育は容易ですが稚魚は他の魚にいじめられることもあり、他の魚との混泳は避けます。一方でよく育った個体も真逆の理由から他の魚との混泳に注意するべきです。
ミヤコキセンスズメダイの幼魚はイチモンスズメダイの幼魚に酷似していますが、鰓蓋周辺に周囲よりも明るい黄色域があるので見分けられます。
イチモンスズメダイ Chrysiptera unimaculata
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image7-6.jpg)
高知県で採集したイチモンスズメダイ。一番きれいな時期(撮影:椎名まさと)
ミヤコキセンスズメダイに近い種です。高知県などではこちらが多いようです。サンゴ礁域というよりも、水深2メートル以浅の潮だまりなどで多く見られる種で、生息域が浅いためにダイバーの目につきにくい魚ともいえます。
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image15-2.jpg)
イチモンスズメダイの成魚(撮影:椎名まさと)
潮だまりで遊ぶ磯採集愛好家のほうが見る機会が多い種で、美しいためつい持ち帰りたくなるのですが、成魚は地味な色彩になってしまいます。飼育についてはミヤコキセンスズメダイと同様です。
ネズスズメダイ Chrysiptera glauca
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image6-6.jpg)
ネズスズメダイの稚魚(撮影:椎名まさと)
全身が灰色の体で、頭部にメタリックな青い線が入りますが、ミヤコキセンスズメダイに見られる黒い点はありません。また、本種は体がグレーなので、ミヤコキセンスズメダイやイチモンスズメダイとの見分けは容易です。残念ながらやはりこの青い線は成長するにつれて目立たなくなってしまいます。
![](http://sakanato.jp/wp-content/uploads/2024/05/image1-19.jpg)
潮だまりで群れるネズスズメダイ(撮影:椎名まさと)
琉球列島や四国南岸では普通種ですが、イチモンスズメダイなどと同様生息水深があまりにも浅すぎるためダイバーの目に突きにくい魚でもあります。タイドプールでは群れているのですが、水槽内では激しく争うため、小型水槽では原則として本種1匹のみの飼育が無難でしょう。