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水族館を定義する法律はない

水族館(提供:PhotoAC)

ここまで「水族館は博物館」である! という様々な文献や解釈を紹介しましたが、皆さんなにかに気がつきませんか? そう、上記したものは全て「解釈」であって、水族館は「こうでなければならない」といった法律の定義はないのです。

あれだけ「博物館法によって水族館は博物館である!」と言われているにもかかわらず、しっかり博物館法を読むと一回たりとも「水族館」という単語は出てこないのです。はじめてこの事実を知った時、僕は「騙された!」と思いました(笑)

札幌市にある円山動物園のコラムにも同じようなことが記載されており、都市公園法と自然公園法という法律に「水族館」という単語がやっと出てきますが、ここでも「水族館はこういう場所」という定義はされていないと書かれています(コラム:動物園水族館を法制度から考える-札幌市円山動物園)。

定義がないことが水族館の多様性につながった?

歴史的に見ても、完全な娯楽施設として誕生した水族館もあれば、調査研究を主として誕生した水族館もあります。こうあるべきといった定義がなかったからこそ、様々な水族館が誕生したのではないかともいえます。

もちろん、今後の社会や大衆に伴って水族館の在り方も変化していくはずです。ただ生き物を見るだけでなく、様々な側面から水族館を考察してみるのも案外面白いのではないでしょうか。

(サカナトライター:みのり)

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みのり

みのり

センス・オブ・ワンダーを大切に

北里大学海洋生命科学部卒・元水族館飼育員。魚類・クラゲはもちろん、イルカの飼育も担当。非常に多趣味で、生き物観察やフィールドワークはもちろん、映画や読書、ゲームも好き。多趣味ゆえの独自の視点、飼育員視点を交えつつ、水生生物やそれを取り巻く自然環境、文化、水族館の魅力を発信していきます。

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