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日本で食べられている<カワハギ>の仲間たち3選 共通点は絶品の「肝」?

カワハギ科の魚はフグ目に分類されるグループ。2024年6月現在、日本で33種が知られてます。

浅海の砂地に生息するもの、サンゴ礁に生息するもの、深海に生息するものなど多様性に富み、色彩も種によって様々です。

カワハギ科の中でも小型で美しい種は観賞魚として需要があり、中型~大型種は食用として需要があります。

カワハギは通称「本ハギ」 脂が乗った肝は絶品

カワハギは通称「本ハギ」と呼ばれる魚で、食用としての値段はカワハギ科の中で最も高いと言ってもよいかもしれません。

カワハギは漢字で「皮剥ぎ」と書きますが、これは本種が通常の魚と異なり、ジャケットのような皮膚を手で簡単に剥がすことに由来します。また、雄と雌で形態が異なることが知られており、背鰭の軟条が糸状に伸びるのが雄、伸びないのが雌の特徴です。

雄のカワハギ(提供:PhotoAC)

カワハギは北海道から九州までの広い範囲に分布、沿岸部の砂地や付近の岩礁に生息。堤防でも釣ることができますが、沖合の釣りで狙うことも可能で、遊漁船が出る程の人気があります。

身の旨味が強く、脂が乗った肝は大変美味。特に冬期の肝が大きくなった個体は絶品です。

「馬の面(つら)」でウマヅラハギ

ウマヅラハギは馬のような顔をしているカワハギ科の魚です。漢字では「馬面剥」と書くためウマズラではなくウマヅラなので注意しましょう。

ウマヅラハギはカワハギよりも安い値段で取引され、カワハギの代用的な存在でしたが、現在はウマヅラハギにも良い価格が付くようになってます。活魚での流通や皮をむかれた状態など様々な形で流通し、市場だけではなく魚屋でも時々見られるようになりました。

ウマヅラハギ(提供:PhotoAC)

また、富山湾のウマヅラハギは富山県のプライドフィッシュに選定されており、冬期の身が引き締まったウマヅラハギは絶品だとか。「如月王(きさらぎおう)」の名でブランド化もされています。

主に底引き網や定置網で漁獲され、カワハギ同様、肝と刺身を一緒に食べる他、唐揚げも定番料理。また、本種によく似た魚にキビレカワハギがいますが、こちらは深場の釣りで少量漁獲があるものの、あまり流通しません。ちなみに味はウマヅラハギのような感じです。

ウスバハギはカワハギ科の中でも大型種

ウスバハギはカワハギ科の中でも大型種として知られています。大きな体に加えて特徴的な顔をしていることから一度見たら忘れることはないでしょう。

ウスバハギ(提供:PhotoAC)

体色に個体差があり、一様に白いものから小型個体では体側に不規則な暗色班を持つ個体も知られています。また、本種は体色が白いことから「白馬」とも呼ばれているようです。

ウスバハギはカワハギ、ウマヅラハギよりも安価で取引されることが多いものの、味はとてもよく、刺身や肝は絶品。

ウスバハギに似た猛毒魚・ソウシハギ?

ウスバハギ同様、大型になるカワハギ科でソウシハギという魚が知られています。

本種は世界中の温帯・熱帯域に生息する魚で、内臓にパリトキシンを持つ可能性があることから、東京都では東京都市場衛生所から販売自粛が求められています。

ソウシハギ(提供:PhotoAC)

一方、内臓さえ食べなけば安全で美味しい魚であるため、沖縄などの南方で一般的な食用魚として流通するようです。ソウシハギは毒のイメージが先行し危険視されることが多いですが産地によっては食用として親しまれています。

このようにカワハギの仲間たちは市場に広く流通し、値段も種によってまちまち。ソウシハギを除く3種は比較的入手しやすいので食べ比べてみてはいかがでしょうか。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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