キンメダマシを食する
キンメダマシは市場にもたまに上がりますが、キンメダイよりも安価とされています。しかしながら身は白身であり、味はキンメダイと遜色ありません。
今回は刺身にする前に皮の部分を炙り食したところ、大変に美味でした。ほかにも煮つけや塩焼きなどで食べたら美味しいと思われます。
なお、オーストラリア南部やニュージーランドには本種によくにたゴウシュウキンメ (Centroberyx affinis (Gunther, 1859))などが生息しているほか、オーストラリア~ニュージーランド海域には合計4種のキンメダマシ属魚類が知られており、これらは鼻孔の形状により見分けられます。もう1種南アフリカの東海岸にのみ生息する種がいますが、これは尾鰭が短く、ほかのキンメダマシ属とは容易に識別できます。
これらの種は底曳網漁業などで漁獲され、商業的に利用されており、ゴウシュウキンメはとくにオーストラリアでは高く評価されているもので、日本人の嗜好にも合うとのことです。
キンメダマシは市場ではあまり見かけない種でしたが、近年は市場関係者の方がSNSで直接販売することも多くなり、入手しやすくなりました。キンメダイよりも安価ですが、美味しい魚ですのでぜひ手にとってみてください。
(サカナトライター:椎名まさと)
文献
青木淳一・奥谷喬司・松浦啓一編著.2002.虫の名、貝の名、魚の名 和名にまつわる話題.東海大学出版会,東京.
尼岡邦夫・松浦啓一・稲田伊史・武田正倫・畑中 寛・岡田啓介編.1990.ニュージーランド海域の水族.深海丸により採集された魚類・頭足類・甲殻類.海洋水産資源開発センター,東京.
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