釣り人から通称”キンギョ”と呼ばれるテンジクダイ科の魚たち。厄介な外道として扱われることも多いですが、釣りをより楽しむために簡単な見分け方を紹介します。
今回は関東圏で釣りでよく見かけるテンジクダイ科に焦点を当て、その見分け方について紹介していきます。よく似た種が多く混乱しますが、一度特徴を覚えてしまえ簡単です。
テンジクダイ科の見分け方
ネンブツダイ
まずはネンブツダイです。本種はスズキ目・テンジクダイ科・スジイシモチ属に属する海水魚であり、テンジクダイ科の代表種とも呼べる魚です。
浅所からやや深場まで見られる種で、主に釣りや定置網で漁獲されます。小型魚のイメージが強いですが、定置網では体長10センチを越える個体も漁獲されます。
頭部から伸びる2本のラインが特徴的で、上の1本は第二背鰭付近まで伸びますが、下の1本は鰓蓋(えらぶた)付近までしか伸びません。
一部の地域では食用になり、空揚げや刺身で食べると非常に美味です。
クロホシイシモチ
クロホシイチモシは釣り人からよくネンブツダイと間違われる魚です。テンジクダイ科の釣果はほとんど本種といっても過言ではないかもしれません。
クロホシイチモシはネンブツダイと同じくスジイシモチ属に属しますが、この魚は体にライン状の模様はないことと下顎の先端が黒いことなどからネンブツダイとは明らかに異なります。他にも項部に1対の斑点があることも本種の特徴であり、クロホシイチモシの和名の由来にもなっていると考えられています。
浅海の岩礁付近に大きな群れを形成する様子が観察されており、昼夜問わずよく見られる魚です。
オオスジイシモチ
オオスジイシモチもネンブツダイと同じスジイシモチ属に属しますが、これまでに紹介したテンジクダイ科の魚たちとは異なり、体側に数本のラインがあります。
ネンブツダイにもラインがありましたが、オオスジイシモチには背鰭の付け根あたりを除けば4本のラインがあることが特徴です。
オオスジイシモチは主に夜釣りで見られる魚ですが、昼間でも岩やテトラの隙間に餌を垂らすと釣ることができます。
コスジイシモチ
コスジイシモチは、関東で見られるテンジクダイ科の中ではオオスジイシモチによく似ています。
コスジイシモチはオオスジイシモチよりもラインが多く、体側には7本のラインがあることからオオスジイシモと区別することができますが、それ以外にもコスジイシモチはオオスジイシモチよりも深場に生息することが知られています。
コスジイシモチはやや沖合の釣りや定置網で少量漁獲される程度で、見かける機会はあまり多くありません。
テンジクダイ科を見分けるには体の<ライン>が重要
このようにテンジクダイ科を見分ける上で体のラインが重要になります。
どんな魚も色々な特徴が見えてきて非常に面白いものです。魚の区別ができるようになると釣りがもっと楽しくなりますよ。
(サカナト編集部)