カレイと言えば煮付けや唐揚げなど惣菜に欠かせない魚ですが、一口に「カレイ」と言っても様々な種類がいます。
現在、日本のカレイ科は33種が知られていますが、アカガレイは食用カレイの中では最もポピュラーな魚です。
この記事ではアカガレイについてご紹介します。
赤いからアカガレイ
アカガレイはカレイ科アカガレイ属に分類される魚です。本種は日本海及び北日本の水深40~900メートルに生息する種で、北海道や日本海側が主な産地となっています。
本種の無眼側(むがんそく)は赤みを帯びた白色で、この色彩は標準和名の由来にもなっています。この赤みは新鮮な個体の証ともされ、時間がたつと赤みが消えてしまうようです。ただし、漁獲直後の個体も赤みが薄いとも言われています。
兵庫県のアカガレイ
寒い地域に広く分布するアカガレイですが、特に兵庫県での漁獲量が多く、兵庫県但馬は全国でトップクラスの漁獲量を誇ります。
兵庫県但馬漁業協同組合には大型底引き網船が所属しており、沖合底引き網漁で多種多様な魚を漁獲しています。漁獲物の中にはカレイ科の魚も多く、アカガレイをはじめヒレグロ(ヤマガレイ)、ソウハチ(エテガレイ)が市場に並びます。
中でもアカガレイはポピュラーなカレイとして親しまれており、兵庫県ではプライドフィッシュに選定されています。また、兵庫県ではアカガレイのことを「マガレイ」とも呼ぶそうです。
アカガレイの旬
兵庫県の日本海側では9月1日に沖合底引き網漁が解禁され、ニギスやカレイ類などの底物を漁獲します。
この解禁後~10月に漁獲されるアカガレイは冬に備えて脂を多く蓄えており、非常に美味だといいます。また、2~3月のアカガレイは産卵期を迎え、子持ちガレイとして喜ばれます。
アカガレイは煮付けに最適
兵庫県ではプライドフィッシュにもなっているアカガレイ。本種の定番料理は煮付けや唐揚げですが、産地では非常に鮮度の良い個体で入手できるため、刺身でも食べられています。
また、抱卵する時期のアカガレイを使った兵庫県、鳥取県の郷土料理「子まぶり」は新鮮なアカガレイの刺身に茹でたアカガレイの卵をまぶした少し変わった一品です。鮮度のよい刺身と濃厚な味わいの卵が非常に美味しいといいます。
流通や冷蔵技術が発達した現代では都内でも新鮮なアカガレイが手に入るようになりました。しかし、郷土料理である「子まぶり」は一部の地域でしか食べられないといいます。アカガレイの産地へ行った際にはぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)