ぼぉ~とした脱力感ある顔をもつマンボウは、大人から子どもまで大人気です。水族館ではいつも人だかりができますよね。
この記事では、マンボウの生態を解説するほか、実は美味しい珍味であることを紹介します。機会があれば、一度ご賞味あれ!
マンボウってどんな魚?
マンボウはフグの仲間です。いわれてみれば、フグをペチャンコにしたような風貌を持っていますね。そして、皮も似たような様子です。
体長は3メートルにも達するとても大きな魚で、温帯や亜熱帯地方の外洋を回遊します。そのため、尾ビレが変化した「舵ビレ(かじびれ)」という方向転換するためのヒレを持ち、方向転換が得意です。腹ビレはなく、「胸ビレ」「背ビレ」「尻ビレ」を使って器用に泳ぎます(時には舵ビレも)。
マンボウは日本近海でも定置網などで捕獲されることがあり、運が良ければお店で購入可能です。
マンボウの種類は?
マンボウの分類は、フグ目マンボウ科マンボウ属マンボウ。このマンボウ科には、マンボウ属とヤリマンボウ属、クサビフグ属が含まれています。
マンボウの仲間は、マンボウ属の「ウシマンボウ」「カクレマンボウ」、ヤリマンボウ属の「ヤリマンボウ」、クサビフグ属の「クサビフグ」の4種類です。
しかし、まだ見つかっていない(分類されていない)、新種がいるかもしれません。
なお、上記写真のアカマンボウはリュウグウノツカイの仲間であり、形は少しマンボウに似ていますが、全く異なる魚です。
マンボウはどこで見られる?
マンボウは、「越前松島水族館」「海遊館」「アクアワールド茨城県大洗水族館」「鴨川シーワールド」「八景島シーパラダイス」「市立しものせき水族館 海響館」の6館で常設展示されています(2024年6月現在)。実際の展示状況については各水族館に問い合わせください。
ちなみに、季節限定でマンボウと泳ぐことができるところもあるようです。
宮崎県延岡市にあるダイビングショップ・延岡マリンサービスでは、定置網にかかったマンボウを天然プールで飼育しています。そのため、マンボウの体調が悪くなければ一緒に泳ぐことが可能だといいます。
毎年1月後半から5月中旬くらいまで開催されています(※事前に問い合わせをしましょう)。マンボウとダイブできるなんて素敵ですね。
マンボウは食べられる その味とは?
マンボウは日本でも伝統的に食べているところがあり、岩手県や宮城県、和歌山、三重県、高知県などの太平洋沿岸地域が有名です。
夏になると、スーパーで筋肉や腸、肝臓などが切り身にされて普通に売られています。該当地域以外の人が見かけると、ちょっと驚くかもしれません。
マンボウの筋肉部分は水分が多いため、水気を取り唐揚げにすると鶏肉のようになって美味しくいただけます。腸は塩焼きにするとコリコリとした歯ごたえがたまりません。
夏に上記の県へ旅行する際は、ぜひマンボウ料理を食べてみてくださいね。
(サカナトライター:額田善之)