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カマツカ属 Genus Pseudogobio

日本のカマツカ属は3種からなりますが、もともと東日本にいたのはスナゴカマツカとされています。

ただし近年はアユなどの放流に混ざって西日本にいたカマツカも関東で見られるようになり、困ったことに交雑もしているようです。

スナゴカマツカ(撮影:椎名雅人)

細かい砂を厚く敷くと砂に潜る様子も観察できますが、痩せやすいところがあり、飼育は簡単とは言えません。できるだけ大きな水槽、できれば90センチ以上の水槽で飼育してあげたい魚です。

ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus

昔から親しまれてきたコイ目ドジョウ科の淡水魚・ドジョウ。日本で従来「ドジョウ」とされてきたものでも複数の種がいることが知られています。

食用魚としてもしられるドジョウですが、近年は魚屋さんで台湾や中国産のドジョウが販売されていることも多く、それらが放流されるという問題も起こっています。

ドジョウ。大陸由来の可能性もあり(撮影:椎名雅人)

飼育については砂を敷いてあげるとよいでしょう。意外にも飛び出すこともあるので、フタは必要です。

ヒガシシマドジョウ Cobitis sp. BIWAE type C

シマドジョウの仲間は日本の広い範囲に生息しているグループですが、関東平野に在来で生息しているものはヒガシシマドジョウという種になります。

ヒガシシマドジョウの幼魚(撮影:椎名雅人)

砂に潜っていることも多く、砂ごと掬うと入っていることもあります。飼育の際にも粒の細かい砂を敷いてあげるとよいでしょう。

成魚の飼育は容易ですが幼魚(写真)は繊細で痩せやすいので注意が必要です。

ナマズ Silurus asotus

日本に生息するナマズ目の中では最もよく知られた種で、ほかのナマズ目魚類と識別しやすくするため「マナマズ」と呼ばれることもあります。

ナマズの幼魚(撮影:椎名雅人)

飼育は容易ですが全長70センチ以上と大型になる種で、他の魚を捕食してしまうこともあります。そのため他の魚との飼育には向いていないと言えます。

夜行性で、昼間は流木や障害物の陰に隠れていることが多いです。

ギバチ Pseudobagrus tokiensis

神奈川県・富山県以東の本州に生息するナマズ目ギギ科の一種・ギバチ。夜行性で昼間は岩や流木の影でじっとしていることが多く、夜間にそこからでてきて泳ぎ回り、餌となる小魚や甲殻類を捕食します。

ギバチ(撮影:椎名雅人)

絶滅危惧II種とされており、獲りすぎないよう、特に注意が必要な魚です。よく同種同士で争うため、複数個体の飼育はやめたほうが無難です。また大きいものは全長30センチほどにもなります。

ミナミメダカ Oryzias latipes

ダツ目メダカ科の淡水魚・ミナミメダカ。おとなしい魚でいつも水槽の表層で群れています。日本国内では減少傾向にあり、地域によっては保護されていることもあり注意が必要です。

ミナミメダカ(撮影:椎名雅人)

また在来の個体群が放流された別地域の個体群に置き換わった地域もあったり、改良品種が放流されるなど、アクアリストと絶滅危惧淡水魚との付き合い方の難しさを示す例になりやすい魚ともいえます。

改良品種のヒメダカ(撮影:椎名雅人)

飼育・繁殖ともに容易ですが他の魚から攻撃を受けやすいため、同種同士をのぞき、他魚との混泳には向いていないところがあります。

オヤニラミ Coreoperca kawamebari

日本では数少ない純淡水域のスズキ類・オヤニラミ。中国で重要な食用魚とされるモトケツギョを含むケツギョ科の魚では唯一の日本在来種で、京都府以西の西日本に生息しています。

オヤニラミ(撮影:椎名雅人)

近年絶滅危惧種として保護されている地域もありますが、従来生息していなかった関東にも愛好家が放流したと思われる個体が増殖して問題となっており、これも絶滅危惧淡水魚との付き合い方の難しさの例のひとつといえます。

動物食性で在来の生物に悪影響を及ぼす危険性もあり、関東地方など従来本種がいなかった地域で採集した場合にはできる限り持ち帰るようにしましょう。

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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