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派手な見た目や不思議な模様をもつ<ベラ>の仲間たち 日本のダイビングスポットでも観察できる

ベラには、とても多くの種類の魚がいます。模様や色合いがとても地味だったり、びっくりするほどド派手だったりと同じ種類の魚に見えない場合が多いです。

この記事では、ド派手な模様や不思議な模様のベラを紹介します。

ベラは世界に520種も生息する大きなグループ

ベラはスズキ目ベラ科の魚です。海水魚の中で、ベラ科(Labridae)はハゼ科に次いで種類が多く、全世界でおよそ70属、509種もいます。

ホシササノハベラ(提供:photoAC)

日本では、37属146種類(写真で記録された数)がいるとされており、その多さに驚きです。

小さなお目々で愛嬌のある顔立ちをしているので見ていて飽きません。

日本で釣れるベラ科の魚は?

日本でよく釣れるベラ科の魚といえば、キュウセン(キュウセン属)やササノハベラ(ササノハベラ属)など数種類ですが、関東ではあまり食べません。

ちなみに、キュウセンの名前は体に点状の線が9本入っていることに由来します。

キュウセンなど(撮影:額田善之)

瀬戸内のキュウセンは塩焼きや天ぷらにすると絶品で、筆者も昔はよく釣って食べていました。最近はほとんど釣れないため、寂しい限りです。

煮付けも美味しいので、一緒に釣れたメゴチとキスと一緒に作りました。

上からメゴチ、キス、キュウセン(撮影:額田善之)

ベラは幼いときは全てメスで赤い体色をしていますが、成長すると一部の個体が性転換してオスとなり、緑色に変化! 生命の神秘ですね。

驚くべき配色のベラがいる!

ニシキベラ(提供:photoAC)

日本で見かけるキュウセンなども派手な色合いですが、もっとド派手な色合いのベラがいるので、紹介します。

トカラベラ Halichoeres hortulanus

トカラベラ(撮影:額田善之)

トカラベラは、ホンベラ属の全長20センチほどになる食用可能な魚です。

幼魚は白と黒のまだら模様の地味な色合いですが、成長すると、頭部は緑色、身体にはピンク色の模様が入り、尾びれは黄色と派手で鮮やかな体色になります。

サンゴ礁付近の砂地に生息し、危険が迫った場合や夜間は砂中に潜って隠れます。

セナスジベラ Thalassoma hardwicke

セナスジベラは、ニシキベラ属の全長15センチほどになる食用にされない魚です。

頭部に赤褐色の太い斜めの帯や背中から腹部にかけてやや斜めの黒~褐色の横帯があり、うす緑色の体色に映えます。

セナスジベラ(撮影:額田善之)

背中から腹部にかけてよく目立つ太い帯状の模様があることから名づけられました。小笠原諸島、インド〜中部太平洋の浅い岩礁域に生息し、夜間は岩やサンゴの陰で休息します。

ツユベラ Coris gaimard

ツユベラは、カンムリベラ属の全長35cmほどになる魚で食用可能ですが、シガテラ毒の報告もあるそうです。

ツユベラ(提供:photoAC)

幼魚は赤オレンジ色の体色に白い斑があり、クマノミに似ています。成長すると身体に青みがかかり、青い斑点を生じ、尾びれは黄色、背びれや腹びれはオレンジ色になり、体色が派手です。

伊豆諸島や台湾、東インド〜太平洋のサンゴ礁域に生息し、危険が迫った場合や夜間は砂中に潜って隠れます。

コガネキュウセン Halichoeres chrysus

コガネキュウセンは、ホンベラ属の全長12cmほどになる魚で食用にはなりません。体色は鮮やかな黄色で、雄は頭部に帯が入りますが、雌は背びれ中央部に目玉模様が生じます。

コガネキュウセン(提供:photoAC)

伊豆諸島やインド〜太平洋のサンゴ礁域の砂地に生息し、夜間は砂に潜って隠れます。

ヤマブキベラ Thalassoma lutescens

ヤマブキベラは、ニシキベラ属の全長20センチほどになる魚で食用にされます(美味しいそうです)。

ヤマブキベラ(提供:photoAC)

幼魚は、黄色の体色に1本の白くて太い縦じまが入りますが、成長につれて消失し、派手な体色に変化します。成熟した雄の体色は吹色となり、頭部にはオレンジ色の隈取り模様、体にはオレンジ色の横じまが20本生じ、胸鰭の根元は黄色で端は青色です。

伊豆諸島や台湾、インド〜太平洋のサンゴ礁域に生息し、夜間は岩の陰に隠れます。

南の海や水族館で派手な色合いのベラを探してみましょう!

イラ(提供:photoAC)

ベラは多くの種類がいますが、地味な色合いのベラ、鮮やかな色味のベラ、派手な色合いのベラなど体色は様々です。

イラ属のベラであるイラは体高が高く、おでこが膨らんでおり、アマダイのような特徴的な風貌をしています。シュノーケリング中に見つけると、思わず笑ってしまいそうです。

ベラの仲間は浅い海に生息するものが多く、シュノーケリングでも十分観察できるので、南の島へ行く際は、ぜひ探してみてください。また、水族館でも展示されているので、南の島へ行けなくても大丈夫です。

食べてもおいしく、見た目もキレイとくれば、魚界のアイドルといえますね。

(サカナトライター:額田善之)

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額田善之

額田善之

人生を楽しもう!

愛媛大学理学部生物学科卒の生粋の生き物大好きライターです。特に魚が好きで、子どもと水族館巡りや釣りを楽しんでいます。オートバイで旅をして産地の珍しい魚を食べるのも趣味です。旅行や納豆の記事をよく書きますが、今回から水生生物についても執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

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