各種SNS等でショート動画が溢れる世の中。しかし、私は一瞬が閉じ込められた写真が好きです。
なかでも、水中写真が大好きです。水中写真だからこその魅力が多数あるのです。
<一瞬>がより貴重な海の中
筆者はダイビングライセンスを取得しています。
ライセンス取得者が行うダイビングをファンダイビングというのですが、このファンダイビングで海の中に潜っていられる時間はどんなに長くても1時間ほど。
その時間の中で出会えたサカナや目に映る海中の景色は、特別なものです。
<一瞬>がより輝いて見える、そんな水中写真がとても好きなのです。
どのように水中写真を撮っているか
私はOLYMPUS STYLUS TG-4 Toughというカメラを使用。このカメラを「ハウジング」と呼ばれる防水カバーにいれて水中に持っていきます。
そして、水中で何を撮るかというと、大きく分けて2つあります。
水中で撮る<マクロ> と<ワイド>
1つめは「マクロ」と呼ばれていて、ハゼやウミウシなどの小さな生き物に焦点を当てたもので、魚の表情や周りにある海藻を繊細に写します。

2つめは「ワイド」といい、景色や魚の群れ、大物魚をとらえたもので、ダイナミックな特徴があります。
私はどちらも好きですが、いずれにしても意識していることは、水中でよく出会うサカナでもよく潜る場所でも、必ず写真を撮るようにすることです。
サカナにも個体によって性格があったり、大きさや色が少し違ったりもします。発見する場所によっても違う雰囲気で見えることが面白いのです。
景色もいつも違います。潜るたびに違う“青”に出会えることがダイビングの魅力の一つです。
潜る海、潜る季節、天気、時間帯、水深、使うカメラ、構図、見る人の感性や気持ちによって、いつも違う景色に出会えます。
一瞬の美しさと日々の生活
海の中の世界は、非日常的です。
たとえば、普段の地上での生活では、人との関わりがあります。話をしたり、一緒に食事をしたり、協力して仕事をしたり、楽しいことも多いですよね。
海の世界に潜りこむと「世界は地上だけじゃない」「大切なのは人との関わりだけじゃない」と思えて、ふと心がほぐれる感じがします。
普段の日常に戻ると、また普段の生活のいいところが見えてきたりします。
海に潜って貴重な一瞬を残そうとする行為は、私たちが生きている地上と海、どちらの時間も貴重で、どちらの時間も大切にすることを教えてくれる気がします。
そして、切り取られた一瞬は、出会えたこと自体に価値があることを教えてくれます。
水中写真の濃厚さを味わってみる時間は、とても贅沢なものです。
ふと、写真を眺めて、自分の中で情報を補完してみる時間を過ごしてみるのも、たまにはいいかもしれません。
(サカナトライター:百葉)