多種多様な魚が展示されている「沖縄美ら海水族館」では、サンゴ礁に生息する魚たちを観察することができます。
さらに、同館は深場に生息する生物にも力を入れており、これまで多くの稀少生物たちが飼育されていました。深海に関する研究活動も盛んに行われており、特にROV(無人潜水艦)による深場の調査では貴重な生物たちが発見されています。
現在、<深海の小さな生き物>エリアで展示されているクガニウミタケハゼも、ROVにより採集されたハゼ科の魚。この2~3センチ程の小さなハゼは、沖縄美ら海水族館の職員により日本初記録種として報告された魚でもあります。
稀少な深海生物たちを展示
ジンベエザメの飼育で有名な「沖縄美ら海水族館」ですが、サンゴ礁に生息する多種多様な生物が展示されているのです。
深海生物にも力を入れており、これまでにウチワフグやオニキホウボウなど稀少な深海生物の展示を実現してきました。
また、深場の調査も盛んに行われており、同館が所有するROV(小型無人潜水艇)では、2008年お導入以降、数多くの発見に貢献しています。
発見される生物の中には未記載種も含まれており、こまでにチュラウミゴカクヒトデなどの新種も発見されているのです。
日本初記録のハゼ<クガニウミタケハゼ>
2019年~2024年にかけて行われたROV調査では、沖縄本島周辺の水深約100メートルから複数のハゼ科魚類が採集され、詳しい調査の結果、日本未記録種のウミショウブハゼ属 Pleurosicya annandalei であることが判明しています。
クガニウミタケハゼ(提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)この成果は沖縄美ら海水族館の職員たちにより報告(論文タイトル:First Japanese records of two commensal gobies, Lobulogobius omanensis and Pleurosicya annandalei (Teleostei: Gobiidae), collected using remotely operated vehicle)され、クガニウミタケハゼと命名されました。
「クガニ」は本種の黄色い体色に由来し、沖縄の方言で“黄金”を意味します。
ヒメボヤ科の一種に共生する様子(提供:一般財団法人 沖縄美ら島財団)また、本種はインド洋から西太平洋の熱帯域に広く生息すものの、深場に生息することから生態がほとんどわかっていません。しかし、沖縄美ら海水族館のROV調査で生きたままクガニウミタケハゼが採集されたことにより、生体の色彩および本種がホヤ類と共生することが明らかになっています。
稀少なハゼを見るチャンス
今回報告されたクガニウミタケハゼは、沖縄美ら海水族館の「深海の小さな生き物」エリアで4個体を展示中。
他では見ることができない稀少な生体の深場ハゼを見る機会です。気になる方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
詳しい情報は沖縄美ら海水族館公式WEBサイトで確認することができます。
※2025年9月16日時点の情報です。
(サカナト編集部)