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日本海の<表層だけでない海水温上昇&低塩化進行> 50年分のデータ解析で明らかに

近年問題になっている地球温暖化と、それにともなう海水温上昇。遠い場所で起こっている出来事のように思えますが、私たちの食卓にとっても影響が現れています。

国立開発法人水産研究・教育機構は2025年11月、日本海では地球温暖化の影響が海面だけでなく水深50~100メートルの「亜表層」にまで及び、あわせて春の海水の塩分低下が進んでいることを、約50年分の観測データ解析から明らかにしました(国立研究法人水産研究・教育機構-日本海で進む「表層だけでない温暖化」と「春の低塩化」―50 年の観測で見えた変化―)​。

これらの変化は、日本海の成層構造や海洋循環、水産資源や生態系に影響を与える可能性があり、継続的な観測の重要性が改めて示されています。

日本海で進む海水温上昇と低塩化

国立研究開発法人水産研究・教育機構は、日本海各地で1976年から2022年まで実施されてきた海洋観測データを統合し、水温と塩分の長期的な変化を解析しました。

その結果、日本海全域で進行している昇温が表層だけでなく、水深50~100メートルの亜表層でも明瞭に確認され、かねて指摘されてきた「表層だけでない温暖化」が観測データから裏付けられました。

島根・松江美保関の惣津海岸(提供:PhotoAC)

​一方で、春季の日本海東部では、東北から北陸沿岸から沖合にかけて海水の塩分が低下する「低塩化」傾向がはっきりと現れていることも分かりました。

塩分低下の規模は、水深10~100メートルの層で最大約0.16の低下が見られているとのこと。この低塩化は、冬から春にかけての降水量・降雪量、および河川流量の増加と、海に発生する直径数10~数100キロメートル規模渦が沿岸水を沖合へ運ぶことによって引き起こされていることが明らかになりました。

将来の海洋熱波​、また水産資源への影響が考えられる

研究チームは、こうした成層構造や循環の変化が、日本海における将来の「海洋熱波(海水温が平年より著しく高い状態が数日~数週間続く現象)」の発生頻度や強度にも影響し得ると評価しています。

海洋熱波は、近年世界各地で報告されており、日本海でも発生リスクの評価と監視が重要な課題になりつつあります。

この研究結果は、日本海の水産資源の構成要素や量の割合、またその他の海洋生物の生態系などへ影響を及ぼす可能性を示唆しています。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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