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サメの歯は鋭いだけじゃない? 実は多様な<サメの歯>の世界を覗いてみよう

サメ」と聞くと、映画『ジョーズ』のような鋭い歯を持つ恐ろしい姿を想像しませんか?

実は、すべてのサメが「凶器」のような歯を持っているわけではありません。エサの種類によって、その形状はさまざまなのです。

筆者が高知県土佐清水市にある水族館「足摺海洋館 SATOUMI」で実際に見せてもらったサメの歯を例に挙げながら、それぞれの違いを紹介します。

サメと普通の魚の違いは?

サメは「軟骨魚類」というグループに属しており、その名の通り、全身の骨がやわらかい軟骨でできています。そのため、全身が化石として残ることは珍しく、多くの場合、硬い歯だけが化石として発見されます。

また、エラの形も個性的です。タイやコイのような一般的な魚(硬骨魚類)とは異なり、スリット状の板が並んだような特殊なエラを持っています。この特徴から、サメやエイの仲間は「板鰓類(ばんさいるい)」と呼ばれます。

鮫のエラ(提供:PhotoAC)

サメは2023年時点で、世界に557種類、日本では129種類が確認されていますが、分類が進むにつれ、今も種類は増えているそうです。

サメの歯は種類で違う

「サメの歯=ナイフのような鋭さをもつ」というイメージが強いかもしれませんが、それはほんの一部の話。実は、彼らが何を食べているかによって、歯の形状は全く異なります。

約4億年前に誕生したサメの祖先から、生存競争を生き抜くために、サメが進化を遂げた証です。

サメの歯の化石(提供:PhotoAC)

ちなみにサメの歯は“交換式”で、歯が抜け落ちるとその下から次の新しい歯が生えてきます。サメの種類にもよりますが、サメが一生に使う歯は数万本とも言われています。

水族館の水槽の床をよく見てみると、抜けたサメの歯が見つけられるかもしれませんね。

魚だけでなく大型生物も食べるサメの歯

「人食いザメ」といって恐れられるホホジロザメやオオメジロザメ(学名:Carcharhinus leucas)、イタチザメ(学名:Galeocerdo cuvier)といったサメは、獲物を切り裂くためのギザギザが付いた形状の歯を持ちます。

このような歯を「鋸歯(きょし)」と呼びますが、文字通りノコギリのような歯です。

オホメジロザメ(提供:PhotoAC)

鋸歯を持つサメは肉食性が強く、魚やサメ類、アシカ、鯨などに食いつき頭を振ることで身を切り裂くことができます。一説によると、ウミガメの甲羅も砕くことが可能なんだとか。

イタチザメの鋸歯(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館)

なお、ホホジロザメはネズミザメ目ネズミザメ科ホホジロザメ属、オオメジロザメはメジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属、イタチザメはメジロザメ目イタチザメ科イタチザメ属に分類されます。

魚を主食とするサメの歯

アオザメ(学名:Isurus oxyrinchus)やシロワニ(学名:Carcharias taurus)、シュモクザメ(学名:Scalloped hammerhead)といったサメは、魚類やイカ・タコ、小型の甲殻類などをエサにします。アオザメはネズミザメ目ネズミザメ科アオザメ属、シロワニはネズミザメ目シロワニ科シロワニ属に分類されるサメで、どちらもネズミザメ目です。

シロワニの歯(提供:PhotoAC)

これらのサメは、魚をしっかり捕まえて逃がさないように、細長い形状の歯を持ちます。

この長い歯は素早く動く魚を突き刺し、逃がしません。

アオザメの歯(撮影:額田善之/撮影場所:足摺海洋館)

また、捕らえたあとは頭を振ることで身をスパッと切断できるので、うまく捕食できます。まさに、“出刃包丁のような歯”といえるでしょう。

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額田善之

額田善之

人生を楽しもう!

愛媛大学理学部生物学科卒の生粋の生き物大好きライターです。特に魚が好きで、子どもと水族館巡りや釣りを楽しんでいます。オートバイで旅をして産地の珍しい魚を食べるのも趣味です。旅行や納豆の記事をよく書きますが、今回から水生生物についても執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

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