今年も3月になって北海道の留萌(るもい)地方で甘エビ漁が解禁されました。
漁獲された甘エビは増毛港でも水揚げされ道内や首都圏に出荷されるようです。
そもそも甘エビって?
寿司の定番として知られている甘エビですが、甘エビという名のエビは存在せず「ホッコクアカエビ」などの総称というのはご存知でしょうか。
ホッコクアカエビはタラバエビ科に属する小型のエビで、水深300~1000メートル程の深海に生息しています。主な産地は石川県、富山県、新潟県、及び北海道の日本海側。特に北海道の日本海側は国内でも屈指の甘エビの産地として知られています。
またカナダやグリーンランドに生息する「ホンホッコクアカエビ」と呼ばれる近縁種が冷凍で入荷しており、回転寿司などで提供されるリーズナブルな甘エビは本種であると考えられます。
北海道日本海岸は甘エビの一大産地
北海道の日本海側は国内で屈指の甘エビの水揚げ量を誇り、夏のプライドフィッシュにも選定されています。特に留萌地方の甘エビは非常に有名で、新千歳空港に近い増毛町で水揚げされる甘エビは新鮮なうちに全国へ出荷できることが大きな強み。
留萌地方では毎年3月になると甘エビ漁が解禁され、5月に最盛期を迎えます。増毛町では毎年5月に「増毛春の味まつり」が開催され、甘エビはもちろんのこと増毛で有名な養殖ホタテなど北の幸を存分に楽しむことができます。
北海道の日本海側で美味しい甘エビがたくさん獲れる理由は武蔵堆や小樽堆などの好漁場があるからだとか。甘エビはドーム状の籠を使った「エビ籠漁」で漁獲され各地へと運ばれます。
甘エビは減少傾向?
今月、解禁された留萌地方甘エビ漁。増毛の初水揚げでは約4トンの甘エビが水揚げされました。これは前年の5倍にあたる水揚げ量とのことですが、水揚げ全体ではここ数年減少傾向にあるそうです(増毛町で甘エビの水揚げが盛ん 留萌地方でエビかご漁解禁-NHK)。
甘エビは我々に最も馴染みのあるエビですが、国産のものを食べたことがある人は意外にも少ないかもしれません。新鮮な甘エビは通常の甘エビと食感や味が異なるそうなので一度食べてみたいですね。
(サカナト編集部)