兵庫県神戸市にある水族館「AQUARIUM×ART átoa(アトア)」は3月27日、株式会社フェリシモと連携し、神戸ウォーターフロントエリアの回遊性向上を目的とした路面アートサインによる案内を開始しました。
サインが設置されたのは再開発が進む神戸・新港町エリアで、GLION ARENA KOBEの開業以降、来街者が増加しているウォーターフロントエリア。アトアや周辺施設への道のりを“楽しめる時間”へと変える狙いです。
フンボルトペンギンが案内役
アトアやfelissimo chocolate museum、FELISSIMO f wineryといった施設は、いずれも道路から少し奥まった場所にあり、「入口が分かりづらい」という共通課題があったといいます。そうした課題感が、今回のプロジェクトの出発点となりました。
サインには「アトアまでペンギンが歩くと○歩」「ワイナリーまでワインボトル○本」といった楽しい距離表現を採用し、来場者が目的地に辿り着くだけでなく、距離をイメージしながら歩くことを楽しめる仕掛けになっています。
アートサイン(提供:株式会社アクアメント)路面いっぱいに描かれた大型イラストは文字情報を最小限に抑え、子どもや土地勘のない観光客でも視覚的に分かりやすく楽しみながら施設に向かえるデザインが意識されています。
産学連携で生まれた「足元」のウォーカブルデザイン
本プロジェクトは、大手前大学建築&芸術学部の髙木舞人准教授が監修を担当し、学生たちも現地での実物大モックアップ検証に参加するなど、産学連携で進められました。
サインデザインは、新港町エリアのエリアデザインを手掛けた株式会社Bowlのほそかわなつき氏らが担当。既存の路面ブロックとの親和性を意識したスクエア型デザインを採用することで、将来的な案内対象の拡張にも対応できる構成にしたといいます。
地区計画に基づき整備された公共歩道の「路面そのもの」をキャンバスとする常設サインは前例が少なく、都市計画の枠組みの中で足元の公共空間を戦略的に活用する新しいまちづくりの試みです。
案内役はフンボルトペンギン?
アトアの道案内役として採用されたのは、館内で飼育するフンボルトペンギンです。
アトアへのアートサイン(提供:株式会社アクアメント)歩くのはゆっくりなものの、泳ぎは速く、距離感を伝える際に生態的特徴も伝えられるという観点からフンボルトペンギンがセレクトされたそう。
実際に飼育員が計測した足のサイズをもとに歩幅を算出し、模様やフォルムにもこだわりを反映させることで、ペンギンの生態的な特徴も楽しく伝えながら距離感を示す仕掛けになっています。
目的地までの時間そのものを“体験”に
路面サインが案内するのは、アトアのほか、TOOTH TOOTH MART FOOD HALL&NIGHT FES、felissimo chocolate museum、FELISSIMO f winery、GLION ARENA KOBEなどニューシーポートエリアの主要施設です。
今回の路面アートサインは、各施設への誘導とともに、街歩きを体験化する新たな試みと言えそうです。
※2026年4月10日時点の情報です
(サカナト編集部)