大阪大学大学院基礎工学研究科の本告遊太郎講師らの研究グループは、イルカが乱流を生み出しながら速く泳げる秘密を明らかにしました。
この研究成果は「Physical Review Fluids」に掲載されています(論文タイトル:Swimming mechanism of a dolphin on the basis of the hierarchy of vortices)。
イルカが速く泳げる理由
イルカは尾びれを上下に動かすことで、乱流を生み出しながら早く泳ぐことが知られています。
しかし、イルカが速く泳げる理由についてはよく分かっておらず、生物学や物理学における大きな謎の1つだったようです。
イルカ(提供:PhotoAC)こうした中で、大阪大学大学院基礎工学研究科の本告遊太郎講師らの研究グループはこの謎を明らかにすべくイルカが生み出す乱流に着目しました。
スーパーコンピューターを用いて可視化
研究グループはスーパーコンピューター「富岳」を用いて、イルカの生み出す乱流を大きさ別に可視化。加えて、最新の乱流理論に基づく解析も行われました。
解析の結果、早く泳げる理由が尾びれの上下運動でできる“尾びれサイズの大きな渦輪”にあることが判明。なんと、この渦輪が強い後ろ向きの流れを作り、推進力を得ていたのです。
その一方で、無数に生じる小さな渦は推進にあまり重要でないことも明らかになっています。
水中ドローンにも応用が期待
今回の研究によって、イルカが速く泳げる秘訣は尾びれの上下運動により生み出される、尾びれサイズの渦輪であることが明らかになりました。
この成果は、速く泳ぐコツの科学的理解のほか、省エネで速い水中ドローンなどの設計にも貢献することが期待されています。
(サカナト編集部)