わたしの興味のある分野は発光する海洋生物です。バクテリアから深海魚、発光しているようでしていないクシクラゲや発光することで身を隠すホシエソ、最近ではホタルイカの身投げも例年より多いようで気になっています。
楽しい特徴がたくさんあるマツカサウオ
キンメダイ目マツカサウオ科のマツカサウオは日本やオーストラリアの太平洋側、浅瀬から岩礁のあたりに生息する魚。大きさは15センチほどで「マツボックリ」の様な大きなウロコ模様をしています。「ぐっぐっ」と音を出したり、オーストラリアでは「Pineapple-fish(パイナップルフィッシュ)」と呼ばれたり、楽しい特徴がたくさんある魚です。
マツカサウオの食道付近には発光器があり、僅かに青白く光ります。1914年に魚津水族館で停電となった時、偶然発光特性が見つけられたのだそう。
その光源となるのが発光性のバクテリアで、マツカサウオはそのバクテリアを発光器内で増殖させ発光します。光の強さも調節できるらしいのですが、それほど強い光でないので、光る目的は餌をおびき寄せるため、もしくはコミュニケーションのためではないかと言われています。
マツカサウオは鳴き、金色の硬い鎧を持つ
マツカサウオは鳴くこともあり、その音は浮袋を振動させて出しています。棘のような背鰭を逆立て鳴くことが多いので威嚇行動なのではないかと言われています。怒らせると怖いタイプなのかな。
そして、とても硬く金色に光る鱗を持っています。硬く包丁も入りにくいことから「ヨロイウオ」とも呼ばれています。
マツカサウオの飼育をしている水族館は多いですが、沖縄美ら海水族館では繁殖にも成功しており、暗闇で光るマツカサウオの展示を観ることができるのでオススメです。硬い鎧に包まれた、俺のコスモ、マツカサウオを感じてみませんか?
(サカナトライター・小園梓)