日本人が大好きなマグロですが、実は様々な種類が含まれています。
この記事では日本で見られるマグロについてご紹介します。
マグロとは
マグロとはサバ科マグロ属に分類される魚の総称。マグロ属はサバ科の中では大型になるグループで、クロマグロは3メートル近くの個体も記録があります。
マグロ属は世界各地に分布し、日本では5種(クロマグロ、コシナガ、ビンナガ、キハダ、メバチ)のマグロ属をみることができます。コシナガ以外の4種は流通量が多く、魚屋へ行けばいずれかのマグロを見ることができるはずです。
意外なことに「マグロ」が標準和名で使われているマグロ属魚類はクロマグロのみで他のマグロ属にはマグロが付きません。マグロの名前の由来は諸説あるものの、目が黒いことから「目黒→まぐろ」、体が黒いことから「まっくろ→まぐろ」になった説が有名です。
クロマグロ
クロマグロは本マグロとも呼ばれる高級魚で、日本のみならず台湾や中国でも人気の魚です。
本種は胸鰭が短いことが特徴で、胸鰭の先端が第二背鰭の起部に達しないことから他のマグロ属の成魚と区別することができます。延縄や巻き網で漁獲され、寿司や刺身で食べられています。
回遊魚であることから日本各地に産地があり、特に大間のマグロは非常に有名です。
ビンナガ
ビンナガは別名ビンチョウともよばれる魚で、本種のトロは「ビントロ」の名で有名。
ビンナカの名前は本種の胸鰭を鬢(びん)に見立てたことが由来であり、胸鰭が長いことからこのような名前が付きました。別名であるトンボも恐らく長い胸鰭が由来していると推測されます。
マグロ属の中では小型種で、価格も比較的安価であることから回転寿司でも頻繁に見られます。身は他のマグロ属と比較して色が薄いことが特徴。また、本種はツナ缶の原料でもあり、ホワイトミートとも呼ばれるそうです。
本種は胸鰭が長いことに加えて、尾鰭の後縁が白いことから他のマグロ属と区別することができます。
メバチとキハダ
メバチは眼が大きいことが特徴の魚で、標準和名の由来にもなっています。キハダに似るものの第二背鰭と臀鰭が伸びないことから区別することが可能です。国内のマグロ属の中では漁獲量が多く、各地で延縄や巻き網が行われています。刺身や寿司など様々な料理で消費されています。
キハダ(黄肌)は漢字を見ても分かるように体が黄色味を帯びることが名前の由来です。本種はマグロ属の中では比較的安価で主に西日本で消費の多いマグロ属です。
スポーツフィッシングの対象魚としても人気があり、ショア、オフショア問わず本種を狙る釣り人が大勢います。食用としてはツナ缶の原料として非常に重要な水産資源です。
マグロに似た魚たち
魚の中にはマグロに似た魚が数種存在し、見た目が似ているものから身の色が似ているものまで様々。中にはマグロに遜色のない味を持つ魚もいます。
イソマグロ
イソマグロはマグロ属と同じくサバ科に属する回遊魚です。名前にマグロと付きますが、マグロ属とは異なるイソマグロ属に分類されます。本種は沿岸の表層から時に深海にも出現する魚で、特に南方で多く出現する魚です。
マグロとは対照的に身の色は薄いものの味は良く、産地では刺身などで食べられています。ただし、マグロのように広く流通することはないようです。
ガストロ
ガストロはサバ科ガストロ属の魚で、ガストロ属の魚は本種のみが知られています。ガストロという変わった名前が学名が由来。サバ科の鱗は小さいことが特徴ですが、ガストロは大きな鱗を持つことからウロコマグロとも。
本種は日本に分布しないものの、食用として需要があり加工品や冷凍で入荷があります。マグロと同じように食べられているそうでうす。
アカマンボウ
アカマンボウは身の色が赤みを帯びることから、かつてはマグロの代用魚として流通した魚とも言われています。食品の表示について厳しくなった現在の日本ではアカマンボウをマグロとして売ることはリスクがある他、マグロの消費量を賄える程のアカマンボウを仕入れるのは難しいかもしれませんね。
種類・産地・価格・味でマグロを比較しよう
このように日本食に欠かせないマグロですが、実に多くの種類が含まれているのです。
種類によって主産地や価格、味が異なるので食べ比べするのも面白いかもしれません。
(サカナト編集部)