アカエソ属は砂底や岩礁に生息するエソ科の1グループです。
浅海から深場まで様々な種が知られ、比較的身近な種として釣りでよく見られるアカエソが挙げられます。また、アカエソ属は見た目がよく似た種が多いことも特徴で、識別が難しいことで有名です。
そんなアカエソ属ですが、近年は分類学的な研究が進み、新種や日本初記録種が相次いで報告されています。
今回、鹿児島大学総合研究博物館の研究チームが日本から初めて報告した、Synodus capricornisもその1つです。
識別が難しいアカエソ属
エソ科アカエソ属は暖かい海の砂地や岩礁に生息するグループです。
浅海から深場まで様々な種が知られており、釣りではアカエソやホシノエソ、底引き網漁ではハナトゴエソなどが漁獲されています。
アカエソ(提供:PhotoAC)また一部アカエソ属では、互いの見た目がよく似ており、識別が難しい分類群の1つとして有名です。
新種・日本初記録種の報告が相次ぐ
識別が難しいことで知られるアカエソ属ですが、国内においては近年、新種や日本初記録種の報告が相次いでいるグループでもあります。
2026年に標準和名が提唱されたオメガエソ、2025年に新種記載されたハレギエソ、イロハエソなどがその例です。
分類学的な研究が進んだ結果、日本では、17種ものアカエソ属が知れていました。
暗く深い海に因み<メイカイアカエソ>と命名
今回、鹿児島大学総合研究博物館の研究チームが日本から初めて報告したSynodus capricornisは、これまでハワイ諸島や南太平洋の離島、台湾から見つかっていたアカエソ属です。
研究グループは本種の生息する水深が15~150メートル(通常100メートル前後)とアカエソ属では比較的深場にいることから、暗く深い海を意味する「溟海」に因みメイカイアカエソと命名しました。
小笠原(提供:PhotoAC)本種は、太平洋に広域に分布しており特に温暖な海域の外洋に面した離島などでよく見られるとのこと。日本においては小笠原諸島、高知県、大隅半島、大東諸島から知られているようです。
また、形態的な特徴として、本種は前鼻孔皮弁が三角形または円形で短いこと、頬の後部は鱗がないこと、側線鱗数が多いことが挙げられています。
アカエソ属はホットな分類群
今回の研究によって、Synodus capricornisが日本から初めて報告され、メイカイアカエソと命名されてました。標準和名の“メイカイ”は、暗く深い海を意味する「溟海」に因んでいます。
今後も研究が進み、日本から新種・国内初記録種のアカエソ属が報告されるかもしれませんね。
この研究成果は『Zootaxa』に掲載されています(論文タイトル:Revised diagnosis and distributional range extension of Synodus capricornis (Teleostei: Aulopiformes: Synodontidae))。
(サカナト編集部)