クルマダイは大きな眼がかわいらしい深場の魚です。このクルマダイはキントキダイ科の魚であり、ほかのキントキダイ科の大型種同様、食用となっています。
今回はこのクルマダイについてご紹介します。
クルマダイとは
クルマダイはスズキ目・スズキ亜目・キントキダイ科・クルマダイ属の魚で、全長25センチほどの魚です。
体色は赤色で、大きな眼を有し、体側には5本の淡色横帯があるのが特徴です。鱗は櫛鱗と呼ばれるもので、縁辺に小さな棘があります。そのため触り心地はざらざらしています。
日本においては北海道太平洋岸・相模湾以南の太平洋岸、日本海、東シナ海で見られ、海外では西-中央太平洋と北西オーストラリアに分布しています。
クルマダイの名前の由来
クルマダイの名前の「クルマ(車)」とは、「くるりと回る輪」のこととされ、体側の白い横帯が輪のように体を回ることから来ています。
「ダイ」はそのままタイのことなのでしょうが、タイ科の魚ではありません。キンメダイやフエフキダイ同様、「あやかり鯛」のひとつといえます。
地方名としては北陸地方ではマトウダイのことを「くるまだい」と呼ぶことがあるようです。マトウダイは体側中央部に特徴的な斑紋があり、これを「くるりと回る輪」に見立てたようです。
もちろん標準和名マトウダイは、クルマダイとは関係がないどころか、目も異なっています(クルマダイはスズキ目キントキダイ科、マトウダイはマトウダイ目マトウダイ科)。
英語名はJapanese bigeyeで、「日本の大きな目」という意味ですが、bigeye、という名称はキントキダイ科の魚の英語名となっています。
キントキダイ科の魚
クルマダイは先述の通りスズキ目・キントキダイ科・クルマダイ属の魚です。キントキダイ科の魚はインド~太平洋、東太平洋、大西洋に広く分布しています。
この属の魚はすべての種が定置網や釣り、底曳網漁業などによって漁獲されていますが、九州以北ではおもにチカメキントキやキントキダイといった種が、琉球列島ではホウセキキントキなどが多く漁獲されています。
クルマダイは体高が高く、チカメキントキに似たところがありますが、チカメキントキは腹鰭がクルマダイよりもより大きく、鱗数が多いなどの違いがあります。
1
2