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福井県の<シイラ>が注目されている理由とは 価格も漁獲量も増加?

暖かい海の沿岸から沖合に生息する大型魚「シイラ」。

この魚は日本各地で見られるものの食用としての知名度は低く、捨てられてしまうことも少なくありません。

そんなシイラですが、近年は価格が高騰しているようです。一体なぜなのでしょうか?

ハワイでは高級魚・マヒマヒ

シイラ(提供:PhotoAC)

シイラはスズキ目シイラ科に属する回遊魚で、世界中の暖かい海に広く分布。沿岸~沖合の表層に生息することから曳縄やカツオ釣りで見られます。

本種は1.8メートル程になる大型魚としても知られ、沖縄ではマンビカーの名で食用になる他、ハワイではマヒマヒと呼ばれ高級魚として扱われています。

日本では沖縄以外に各地から記録があるものの、馴染みが薄い地域も多く、価格も安いことから廃棄されることも少なくありません。

そんなシイラですが、とある地域では年々漁獲量が増加しているようです。

福井県でシイラが増加

シイラを使ったハンバーガーのイメージ(提供:PhotoAC)

福井県では、近年、海水温上昇でシイラの漁獲量が増加傾向にあり、県内全域の定置網で漁獲があるといいます。2014年では120トンだった水揚げ量は2023年には594トンにまで増加。現在、シイラは福井県の主要な食用魚と1つといえるでしょう。

福井県ではシイラを「カミソリ」「サンペイ」と呼んでおり、夏のプライドフィッシュに選定されているほか、県内ではシイラを使った「マヒマヒバーガー」を提供する飲食店もあります。

福井のシイラは9~10月に漁獲が多く、この時期のシイラは「彼岸シイラ」とも呼ばれるそうです。

シイラの価格が高騰している理由

福井県ではプライドフィッシュに選定されるほどのシイラですが、かつて、福井県では他の魚を傷つけることから“厄介者”として扱われていました。しかし、2022年を境にシイラの平均キロ単価が高騰。20年前は1キロ20円くらいだったのが、現在は200円を超えています。

シイラの価格高騰の背景には円安が関係しており、海外需要から輸出量が増加、水揚げ量も増えていることから安定的な供給が可能になっているようです。

日本ではまだ食用として馴染みの薄いシイラですが、海外からすれば魅力的な魚なのでした。今後、日本でもシイラが主要な魚になっていくかもしれませんね。

(サカナト編集部)

参考

【特集】厄介者の大型魚“シイラ” 価格急騰で一転、漁師「シイラ様」に 海外では高級魚、円安で輸出増加 温暖化で県内漁獲量も増加-日テレ NEWS NNN

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サカナト編集部

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サカナに特化したメディア『サカナト』。本とWebで同時創刊。魚をはじめとした水生生物の多様な魅力を発信していきます。

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