2024年8月、石川県七尾市にある「のとじま水族館」を訪れました。
昨年1月に発生した能登半島地震の影響で、近隣県などへ避難していた水族館の生き物たち。少しずつですが、避難先の水族館から「のとじま水族館」へと戻ってきていました。
ジンベエザメ館にはメッセージや飼育員たちの感謝の言葉
筆者がのとじま水族館を初めて訪れたのは、2022年4月。
カリフォルニアアシカのコウスケくんが絵を描いてくれるショーや人懐っこいペンギンたちを見たり、カワウソのきょうだいのぬいぐるみをお土産に買ったりと楽しみました。
ゆったりと過ごすことができ、子どもと一緒に楽しめる水族館だなぁと思ったことを覚えています。
年始の地震には大変驚きましたが、前回訪れたときの思い出が忘れられず、ニュースやホームページの情報を見ながら、家族で訪れることを決めたのです。
被災から再開館までの様子を展示 メッセージに感動
今回、のとじま水族館を再訪した昨年8月中旬ごろは、再開館してから半月ほどが経ったタイミングでした。
<ジンベエザメ館 青の世界>の展示はアヤコショウダイ、ヒメアイゴなどにウシバナトビエイが混じって泳いでいました。たまにぴょんとエイが飛ぶのが可愛いかったです。
深くて大きな<ジンベエザメ館 青の世界>も、地震当時は水が半分以下になってしまっていたといいます。
本館には被災したときから再開館までの水族館の様子が、写真やイラスト付きで展示されていました。他の水族館や動物園と協力し、のとじま水族館の仲間たちが避難していくところや、水族館の被害の状況を写真で見ることができます。
のとじま水族館の仲間たちのため、関係者の皆さんが尽力されたのだなと感動しました。
また、ジンベエザメ館にあるたくさんのメッセージや飼育員の皆さんの感謝の言葉を読むと、胸が熱くなりました。
避難していた生き物たちが少しずつ帰還
のとじま水族館では、たくさんの動物が他の施設に避難していました。
余震が続いている中、動物たちを安全に避難させることは大変な作業だったと思います。その様子も、前述の展示に書いてありました。
昨年8月中旬の時点では、アカウミガメやアオウミガメ、フンボルトペンギンの一部、マゼランペンギンの一部が戻ってきていました。また、他の施設から生き物を譲ってもらい、少しづつですが展示が増えているようでした。
カマイルカやカリフォルニアアシカはまだ避難中だったので、以前のようなショーは開催できない状態だったのですが、音を利用したマダイの特別なショーを見ることができました。飼育員の皆さんの工夫が伝わってきます。
それから5カ月が経った現在では、さらに多くの仲間が戻ってきており、12月にはカマイルカたちも戻ってきたようです。のとじま水族館のWebサイトには、その際の様子が載っています。
“魚の口”に注目してみませんか?
筆者が今回の訪問で注目したのが、展示されていた魚たちの“口”。
『魚の口』の中でも、ババガレイの口はひょっとこみたいで可愛いんです。ニジカジカとババガレイの2ショットを撮ることができ、お気に入りの写真になりました。
オオカミウオの口も深くて良かったです。
魚たちの口は何を食べているかによってついている向きや大きさ、歯の位置が違います。何を食べているのか想像しながら水槽を探索したいですね。
推し魚「マツカサウオ」も
のとじま水族館は、私の推し魚でもある「マツカサウオ」の展示にも力を入れています。
今年はぜひ、のとじま水族館へ足を運んでみませんか。
(サカナトライター:小園梓)