仕事を頑張ったら、報酬を受け取る。仕事の報酬はお金。
当たり前のような話ですが、ライター業を営む筆者は今年、それを覆すお仕事と出会いました。
『報酬は鮮魚』 お金では買えないワクワク
『報酬は鮮魚』
この5文字に一目惚れし、ライターとして携わらせていただくことになったお仕事があります。
報酬は、毎月届く「鮮魚セット」。今や肉より魚の方が値段が高いこの時代に、鮮魚をセットでいただけるありがたさと言ったら。
会社勤めの人が毎月給与がいただけるように、このお仕事も毎月1度、お魚をいただけるというのです。
とある月の鮮魚セットでは、生わかめ、めかぶ、アイナメ、メダイ、ヒラメ、ウマヅラハギなど、豪華すぎてこれだけで何日食べられるんだろうという代物です。
魚が丸々1匹入っている鮮魚セットの月もあれば、皮引き済みのお刺身状態でいただける月もありました。
報酬が金銭というのはもちろん嬉しいですが、「鮮魚報酬」はサプライズプレゼント感が強く、お金では買えないワクワクを得られます。
釣りで出会った「ヤガラ」との再会
「見たことはあるけど、食べたことはない」という魚はありませんか?
見た目が変わっている、いかつい顔をしているなど、独特な見栄えのする魚ほどその傾向にあるのではないでしょうか。
釣りをしていると、「何だこれは?!」となる魚に出会うことがあります。
以前、海外で釣りをしてみたくなり、ボーナスをはたいてグアムに行ったときのこと。どんな魚が釣れるか全くわからない中、釣れた魚は「アカヤガラ」でした。
近くにいた現地のおじさまは、「トランペットフィッシュ! トランペットフィッシュ!」と言っていました。見た目のとおり、目から口にかけての部分がトランペットのように長い形をしているからということでした。
釣れたときは、珍しい形態をした魚に嬉しさ満点でした。
釣ったヤガラを眺めながら「この魚は食べれるのだろうか」と気になっていましたが、あれから5年、時を経てヤガラは別のかたちに姿を変え目の前に現れました。
鮮魚報酬として「アカヤガラの刺身」が届いたのです。
あの時の魚は、刺身で食べられる魚だったようです。当然ですが、フォルムが細い。
釣られて元気いっぱいに暴れていたあのアカヤガラは、スマートな形になって再会を果たしました。
初めて食べる魚・アカヤガラの味は?
初めて食べる魚は加熱調理した状態でいただきたい慎重派ですが、鮮魚のプロから届いた「刺身」の提案を無視するわけにはいきません。
アカヤガラは綺麗な白身で、指でさわると弾力があります。
独特な見た目、釣られて地面で暴れまわる活きの良さから、クセの強い味を想像していました。食べてみると、臭みがなく食べやすい、けれども濃厚な味で、ほんのり甘みも感じます。
刺身の王道である醤油でいただくより、ポン酢やゆず胡椒など調味料でアクセントを加えると、よりおいしく感じられそうです。
ギョッとする見た目に反して(魚だけに)、さばいてみると実は美味しい味を隠し持っている魚は意外と多いのかもしれません。
スーパーなどで、普段見かけない魚に偶然出会えたときは、食べてみることにチャレンジしてみませんか?
(サカナトライター:川辺真理子)