チリメンモンスターを一部紹介!
実際に見つかったチリメンモンスター達を少し紹介します。
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参加者の方が見つけたクチキレウキガイの仲間。生まれたときから死ぬまで海中に浮かんで生活する浮遊性の巻貝で、この個体の大きさは約3mmほど。とっても小さいのに美しい構造!内臓や頭、眼などが透けて見えます。
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魚に混じって、甲殻類の仲間も沢山入っています。中心の魚はハタの仲間みたい。背中の長い棘で沈みにくくなることで浮遊生活に適していたり捕食者から身を守ったりすると考えられるそう。
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手前の大きいのはタチウオの仲間、真ん中とその上はヨウジウオの仲間かな?
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ひょろひょろした謎の生き物!正体はヤムシの仲間でした。
海洋の動物プランクトンのなかでも量的に多いグループで、食物連鎖を支える重要なメンバーとのこと。左側が頭で、顎毛(がくもう)という牙のようなものも確認できます。
肉食性。格好いい。4~5mmほど。
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このまるで“エイリアン”のような見た目のチリメンモンスターは、甲殻類、セミエビの仲間のフィロゾーマ幼生。
葉っぱみたいに薄い体でふよふよと海中を漂いつつ捕食と脱皮をくりかえして成長し、海底に着底してから最終的に見慣れた姿の稚エビになるそう。
彼らの知られざる子ども時代を目の当たりにしちゃいました。1cmほど。
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中央の赤味がかった生きものはイカの仲間。タコの仲間は8mmくらいをこえる大きさになると海底で暮らし始めるため、大きい個体はチリメンモンスターには混ざりにくいそう。
一方イカは孵化して大人になっても遊泳生活をおくるため、さまざまなサイズがチリメンモンスターに混ざるみたいです。2cm弱ほど。
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イベント中実際に見つかったチリメンモンスターを拡大投影し、講師の解説が聞けちゃいます。贅沢な時間です!
スクリーンに映っているのはウミノミの仲間みたい。
奥深きチリメンモンスターの世界からみえてくるもの
眺めているだけでもわくわくしますし、こんな生きものがいるんだ!という驚きと感動がじんわり心の中に残ります。
一方でイベント中、直径1~2mmほどの透明な球体もちらほら見つかりました。その正体は、マイクロプラスチック。自然の物ではなく、人工物です。
また記事の中盤に紹介した貝類、クチキレウキガイの仲間は殻が非常に薄いため、二酸化炭素の排出にともなう海洋酸性化がすすんだ場合は、石灰質の貝殻を育てられなかったり保てなくなったりする可能性があるそう。
チリメンモンスター探しの体験が、他人事のようにも思えていた海のゴミなどに関する環境問題を身近にとらえられるきっかけづくりにもなることがわかります。
SAKANA BOOKSでは多様なイベントを企画中!
そんなこんなで、あっという間にイベントは終了。チリメンモンスター探しを楽しんでいただけてよかったです。今回参加者の皆さんにはお土産としてチリメンモンスターをお持ち帰りいただきました。
なかなか自分ひとりでは種類までわからないことが多い、チリメンモンスターたち。今回博物倶楽部の皆さんの協力により、参加者の皆さんにディープかつわかりやすく、チリメンモンスターの世界を楽しんでいただくことができました。
今回は大人向けでしたが、お子さん向けのイベントもぜひ!という声もいただいています。博物倶楽部の皆さんと、今後の企画についても検討中です。
今後もSAKANA BOOKSでは、水生生物にまつわる多様なイベントを開催していく予定です。皆さまのご参加をお待ちしています!
またチリメンモンスターに限らず、博物倶楽部さんは楽しい科学ワークショップイベントを多数開催しています。気になる方はぜひチェックしてくださいね。
最後にご参加者の皆様、博物倶楽部の皆さん、ありがとうございました!
(SAKANA BOOKS/サカナト編集部)
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