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春限定?海の宝石・ホタルイカの魅力を味わい尽くす! <ほたるいかミュージアム>に行ってみた【富山県滑川市】

春の味覚は様々ありますが、実はこの季節にしか出会えない、貴重な生き物がいるのです。

それが、ホタルイカ

【画像】富山県だけで見られる?世界的にも珍しいホタルイカの「身投げ」の様子

富山県の名産品として有名ですが、富山湾における接岸現象(春の産卵期に浅瀬に集まること)は、3月下旬から5月のゴールデンウィーク頃までと、1年のうち出会える機会が限られています。

2025年4月、そんなホタルイカに会いに富山県へと行き、ホタルイカに特化した「ほたるいかミュージアム」なるところに訪問してきました。

東京から富山へ

東京から富山へは北陸新幹線で2時間半ほど。富山駅からは「あいの風とやま鉄道」というローカル線に乗り継ぎ、ほたるいかミュージアムの最寄駅である滑川駅を目指します。

電車からは常に立山連峰を望む。天気が良かったこともありとても綺麗で癒されました(提供:moka)

駅に到着すると、【歓迎 ほたるいかのまち滑川】の看板。イカにフィーチャーした街はなかなかないので、早速ワクワクします。

「歓迎 ほたるいかのまち滑川」看板(提供:moka)

駅の外に出てみても、あらゆるところにイカのデザインを発見。可愛らしいシルエットに、胸が高鳴ります。

なめりかわ看板(撮影:moka)

駅からは目の前の道路をまっすぐに進むだけ。

ちなみにこの道は<ほたるいかロード>という名前が付けられていて、路面にイカのデザインタイルが張られていました。

イカのデザインタイル(撮影:moka)

ほたるいかミュージアムは道の駅も兼ねる ドライブにもおすすめ

歩いて15分ほどで、ほたるいかミュージアムに到着です。

同ミュージアムは道の駅も兼ねており、他に海を望むレストランも併設。観光やお土産購入も兼ねて楽しめるので、ドライブで行くのもおすすめです。

ほたるいかミュージアム(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

入り口に到着。イカをモチーフにしたマスコットキャラクターが出迎えてくれます。

そして館内へ入ると、早速ホタルイカがお出迎え。ホタルイカってこんなに大きかったっけ?と思いつつ、早速チケットを購入して入館します。

ホタルイカ(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

いざ、館内へ! タッチプールの中には……?

館内に入ると、中央に大きなプールが設置されていました。

大きなプール(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

何がいるのか覗いてみると、なんとホタルイカが触れるようになっていました。生きているホタルイカを見れるだけでも大興奮なのに、触れるなんて……!

ホタルイカタッチ水槽(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

触り心地は至って普通のイカ。しかし、改めて「ホタルイカってこんなに大きかったっけ?」という感覚に。

どうやら、こちらで展示されているホタルイカは全てメスのホタルイカだそうで、オスに比べて大きいようです。また、富山湾のホタルイカは他地域と比べても大きいらしく、立山連峰から流れ込む雪解け水が生育環境にも関係しているといいます。

ホタルイカに触れる タッチプールの中にはカニも

摘むと痛がってしまうので、そっと下から掬うようにして触れます。

タッチプールのホタルイカたち(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

ちなみにお水はひんやりとても冷たく、ずっと手を入れていると感覚が麻痺してきます。

海洋深層水を使用しており、太陽の光が届かない(=雑菌が繁殖しにくい水域の水)で、塩分濃度が低く、ベタベタしない上に潮臭さもない、さっぱりとした触り心地なのも興味深かったです。

ちなみにタッチプールの中にはカニもいて、こちらも触れるようになっていましたよ。

充実の解説パネル

館内には、タッチプールを取り囲む形でホタルイカの解説パネルが並んでいました。

ホタルイカの体のつくりが存分に学べるのですが、特にホタルイカの特徴でもある皮膚発光器の説明はとても面白かったです。

ホタルイカの解説パネル(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

ホタルイカは青と緑の2色の光を放ちますが、青は水温の低い深い海で、緑は水温の高い浅い海で光るなど違いがあります。

周りの明るさに溶け込むことで、下から狙ってくる天敵の目を欺いているそうですが、この2色は同時に発光することも多いらしく、仲間とのコミュニケーションにも使われている可能性があるとのこと。まだ分かってないことも多いんですね。

ホタルイカ漁の様子(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

他にも、「展示されているホタルイカがどのように捕獲されて今に至るのか」といった、ホタルイカ漁の紹介もあり見応え抜群。展示されているホタルイカは、毎朝スタッフの方が漁船に同行して捕獲しているそうで、その様子が映像で流されていました。

ホタルイカ漁を見学する観光船もありますが、漁は早朝に実施されており、乗船するのもなかなか大変。こうして映像でも見れるのはとてもありがたいですね。

世界のおもしろイカ(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

また、パネルの横ではホタルイカ発光ショーの会場を発見。ホタルイカが獲れる時期限定ということで見てきました。

ホタルイカの解説動画を10分ほど見た後、実際に発光する様子を見るのですが、これが圧巻。

当日朝のホタルイカの獲れ具合によって発光量は違うといいますが、ラッキーなことに訪問日は豊漁。周囲一面を照らすホタルイカの発光が見られました。

参加者全員が「おおー!」と大興奮。こんなにも光るのか!と驚きです。

会場内は撮影禁止のため、気になる人はぜひ現地で参加してみてください。

「イカ」全般の特徴や生態を解説したエリアや漁具の展示も

そして、ホタルイカに限らず、「イカ」の特徴や生態を解説したエリアもありました。イカ好きはたまりません。

また、ホタルイカ漁に関連して漁具の展示もありました。

定置網漁で使用するわら網(提供:moka)

わら網は魚礁の役割も果たしており、説明によればこの網の周りには魚たちが集まってくるのだとか。

富山湾のホタルイカ漁では、基本的に出産を終えたイカしか獲らないようにしているそう。浅瀬で出産を終えたホタルイカが岸へと戻っていくのを狙うのですが、狙う範囲も狭く、獲りすぎにならないように工夫されています。

ホタルイカ漁は、環境に配慮した持続可能な漁業でもあるのです。

なお、建物の2階部分には、滑川におけるホタルイカ漁の歴史やおすすめ加工品の紹介もありました。とことんまでホタルイカの理解が深まる展示、まさにホタルイカの博物館です。

イカ以外にも展示あり!

ほたるいかミュージアムということで、イカしかいないかと思いきや、他の生き物も展示されていました。チンアナゴやカレイなど色々いましたが、特に気になったのがサクラマス

サクラマス(撮影:moka/撮影場所:ほたるいかミュージアム)

なんとこのサクラマス、地元滑川高校の海洋科で育てられたものだそうです。

富山県と言えば、ますずしが駅弁としても有名ですが、サクラマス自体は富山県内でも減少傾向。富山県におけるサクラマス資源を増やすべく、完全養殖に向けた研究をこちらの海洋科では行っているそうです。

高校生たちの研究や掲載された新聞記事もありました。

富山県立滑川高等学校によるサクラマス新聞の展示(提供:moka)

水族館などにおいて、地元の学校とコラボレーションした展示というのは珍しい印象です。

ほたるいかミュージアムが地元地域の人々の繋がりを活かす場になっていることが凄く伝わってきて、ほっこりしました。

おすすめのお土産はこれ!

さて、ホタルイカについてみっちり学んだところで、お楽しみのお土産コーナーへ。

筆者は今回、ホタルイカのぬいぐるみキーホルダーをゲットしました。

ホタルイカのぬいぐるみキーホルダーは蓄光仕様。暗いところで光ります(提供:moka)

腕の部分に大粒の蓄光ラバーがついているのが推しポイント。皮膚発光機もリアルでかわいい。

購入時、スタッフのお姉さんに「めっちゃ光ります!」と教えていただき、こだわって作られたことが伝わってきました。最高のお土産です。

また、ほたるいかミュージアムを出てすぐ横に併設されているお土産屋さんでは、ホタルイカの刺身や加工品も充実。今回は刺身を購入しました。

ホタルイカの刺身(提供:moka)

実際に触れ合った後、刺身の姿を見るのはやや気まずかったですが、せっかくなので実食。命のありがたみをひしひしと感じつつ、ツルツルコリコリでとても美味しかったです。ありがとう、ホタルイカさん。

干しイカも購入。ライターで炙って食べると美味しいと聞きました。ホタルイカならではの食べ方かもしれないですね。

ホタルイカの魅力を満喫(提供:moka)

ホタルイカに会える時期は限られているので、思い立ったが吉日。ぜひ会いに行って、ホタルイカの魅力をたっぷり感じましょう。

(サカナトライター:moka)

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